パソコン工房のLesance(レサンセ)デスクトップPC実機評価その1。
レサンセのノートと同時に借りてしまった、同じくレサンセシリーズのデスクトップ。CPUはCeleronでメモリ4GB、HDDは500GBという良く有る低価格帯の構成。価格は当時約3.3万円で、後継はCPUが新製品になり3.5万円くらい。
3日間連続レビュー、1日目は分解編。
今回、パソコン工房から借してもらった機種はこれ。
冒頭で書いたり上の画像の通り、実機は既に完売。
後継はこれ。
どこが違うかは、価格以外に型番が2541から2542になり、CPUがCeleron G550 から G1610 になっただけという。
私が見たい物はCPUのみでは無い為、無関係に近いとして早速分解して参ります。ちなみに分解はパソコン工房了承済。
デスクトップも分解がバレると修理不可や有料修理になる可能性が有るので、やるならバレないように。
「Lesance DT P2541」の開梱から分解まで
納品された箱を開けると保証書が登場。
箱を捨てるなら外して付属品などと保管しておきましょう。
ラベルには型番と仕様が記載。
これはユーザ用というより、パソコン工房が在庫管理する為の物でしょうな。型番はレサンセDT(デスクトップの略と思われる)P2541。
箱で気になった部分が下の画像。
左下に出雲と書かれており、イラストは出雲大社でしょうか。
出雲大社と言えば島根県。島根県でパソコン工房と言えば、ユニットコムの修理工場が有ると以前何かで見た記憶が有り、修理工場と生産工場が同じ場所に有るのでしょう。
気になった所とはそこでは無く、下に小さく英語で記載有る「Produced by UNITOCOM. Made in Japan "IZUMO"」の文字。
以前、富士通がどのくらいMade in Japanなのか調べていた際に分からなくなった事は、メイドインジャパンの定義。
どこまで日本製ならMade in Japanと謳えるのか、インターネット検索では答えが出ず、すっぱり諦めた次第。
パソコン工房の製造や生産工程なら、パーツは全て海外製のはず。それを日本で組立てたという意味でのメイドインジャパン。
これが通ると国内のBTOパソコンは全部日本製になるけれど、ユニットコム規模の企業がそう書いているのだからこれで良いのでしょうな。またはMade in Japan=日本製、という私の解釈が違うのか。
箱の中を開き付属品一式を撮影。今回も色や明るさ補正は一切なし。
付属品の下にはIN WINロゴの箱。これにPC本体が入っております。
IN WINは私が使っていた先代のサイコムPCも同じメーカーで、安い割にメンテがし易い設計となっており良い印象の有る台湾のシャーシ製造屋。
箱からPC本体を取り出し俯瞰にて撮影。フロントパネルがつやありブラック(光沢)なので、正面から撮影すると周囲が入ってしまう為、遠慮しております。
これに限らないけれどBTOパソコンのケースはダサいですな。いや、BTOに限らないかも知れない。
背面を撮影。
キーボード、マウス共にPS/2端子が揃っており個人的に好印象。しかしPC本体が安い=マザーも安い為か映像出力にDVIとD-subしかございません。HDMIは無し。
付属品一式。
Windowsのインストールディスク、CD化されたPCマニュアル、ドライバなど。紙は簡易マニュアルと注意書き以外は広告。
キーボードとマウスはオマケのような物なので、当然ながら安そうなセット。
いずれも原価数百円と思われ、本気でパソコンを使いまくるなら、せめてロジクールやバッファロー製品などの3円以上する物を購入しましょう。
付属キーボードとマウスは予備として保管しておくと、万一メインの入力デバイスが故障した際に便利。
裏に型番が載っておりました。
キーボードはイギリスのAmazonで9.14ポンド、日本円にすると1300円くらい。マウスは載っていなかったけれど、日本のAmazonにて250円で出品されておりました。
関係無いけれど、私はこれらの安物マウスやキーボードが結構好きで、下手に数千円する物より使い易いと感じております。キーボードのストロークが軽く、マウスも軽い為。
そして分解へ。向かって左側板を開き押し倒した所。
普通のマイクロATXマザー、良く有る設計や構成。
ラベルが見えているので電源から参りましょう。
型番は IP-S300CQ2-0 で300W。
右下にIn Winと書かれており、ケースに付属している電源と推測。グラボ無しでCPUはCeleronなので300W有れば(12Vが216W取れるなら)充分。
ここでPCマニアやオタクは「ケース付属かよ」などと馬鹿にする人が居るけれど、コルセアとかにしたいなら量産系BTOパソコンは選ばない方が良いでしょう。量産系BTO PCは安さ優先、誰も止めないし金を積むのは自由。
メモリはラベルにメーカーやブランド名無し。
ノーブランド、と思いきやチップにELPIDAと書かれております。現物を見た時は真っ黒に見えたけれど、フラッシュで白い文字が浮き上がったのでしょう。
エルピーダはマニアが喜ぶ日本のメーカー。倒産したはずと思い検索すると、会社更生法が適用されたようで復活しておりました。個人的にはチップにこだわりは無いけれど、何となく何故か安心。エルピーダのホームページはこちら。
HDDはHGST(日立)製。
型番は HDS721050CLA362 、500GB、SATA2、キャッシュ16MB。
価格コム最安は送料込で約5千円となっており、レビューによる星の数は4.45と高め。これもマニアが好むブランド。
DVDドライブは、まさかのパイオニア なわけは無く普通にLG。
型番は GH24NS90 、DVD-R書込最大24倍速のスーパーマルチドライブ。
価格コム最安はバルク品が2千円を切れていたけれど、送料が入ると2500円前後くらいとなっておりました。
ドライブ類を取り外したついでにフロントパネルを分解。
パソコン工房はご丁寧にHDDやDVDドライブを逆側(向かって右側面)からもネジ止めしており、側板を両方外したついでに前も剥がしたというのみ。
見ても意味無さそうなものの、パネルの裏側もどうぞ。
青いプラスチック部分は半透明で、PC本体側に有るLEDランプが搭載。電源とアクセスランプ用。
量産系に限らず国内の通販でデスクトップPCを購入すると、端子類がこのようにテープで固定されている事が多くございます。下の写真はHDDの裏側。
ケース底面には、USBやSATA、スイッチやランプ系のケーブルが貼付。
これらは見た目の良し悪しでは無く、輸送中のケーブル抜けを気にしての事でしょう。私が修理現場に居た当時、テープを貼り忘れ修理完了にて返却>PC前面USBが効かない>再入荷>ケーブル抜け、またはOS起動しない(not found)>返却>SATA抜けなどございました。
数年経つとテープが劣化し、ケースや端子が汚れたり接着剤が残ってしまう事も有る為、気になるなら取ってしまっても良いかも知れない。掃除し難いと思う。
続いてCPUクーラーを取り外し。
マザーボードの型番が見えております。H61H2-M2(V.2.0)。
ヒートシンク側も撮影。
CPUクーラーはCPUのBOXに付属しているインテル純正品。グリスも付属の物がそのまんまで取り付けられているのでしょう。
私は自作PCになってしまったのでグリスは自分で塗っておりますが、正直インテルのグリスは性能が良いとは言えず、気になるなら自作しましょう。温度が45度から43度とかに下がって喜べるなら。
クーラー横から。
おそらくになるけれど、Core2~が終わりCore iシリーズになった頃から、Core i3以下のCPU付属クーラーはこのようにヒートシンクの低い物が付いております。
放熱性能として大丈夫なのかと思ったけれど、私が事務用として使っているCore i3 560でさえ問題無く冷えており、しかもCore2~までのファンより静音。
マザーのメーカーはECS。
これまた良く有る仕様で安さ優先。ASUSが良いとかこだわるなら、やはり自作PCをどうぞという事で、メーカーを気にすると安さからは離れていくもの。
「Lesance DT P2541」評価・分解編(まとめ)
今回借りたPCのパーツ詳細が一通り判ったので一覧。
- OS:Windows 7 Home Premium 64bit(32bit/64bitセレクタブル)
- CPU:Celeron G550(2.6GHz、2コア、2MB、TDP65W)
- グラフィック:インテルHDグラフィックス ※CPUに内蔵
- クーラー:インテル純正
- マザー:インテル H61 Express ECS H61H2-M2
- メモリ:4GBx1(DDR3 1333)※空き1 Elpida両面16チップ
- HDD:500GB(SATA2、7200rpm、16MB) HGST HDS721050CLA362
- DVD:スーパーマルチドライブ LG電子 GH24NS90
- ケース:ミニタワー InWin EM038 ※のOEMと推測
- 電源:300W InWin IP-S300CQ2-0
で?という感が有るけれど、それでは実機評価とかレビューにならないので強引に何か書きましょう。
CPUはCeleronながら2.6GHzと高めな動作周波数、しかも2コア。昔とは違いキャッシュは2MBございます。TDPは高くも低くも無く、気にしなくて良いと思う。
マザー、DVDドライブ、電源付きと思われるケースは生産コスト重視の安物を採用。安いから故障し易いと思い込んでいるなら、やはり自作PCで好きに金を積みましょう。PCパーツは何でもいつでも故障する為、品質との関連付は自己満足。
おそらくマニアからも評価されると思う点はエルピーダチップのメモリ、HGSTのHDD。容量は今や普通か少なめなものの、全体の構成、バランス、価格を見ると納得出来るレベル。
パソコン工房がこだわり抜いて採用したとは思えないけれど、それなりに安く在庫もし易かったのでしょう。メーカー側のコストが売価に乗って来ると思えばよろしいかと。
特に気になる点は無く、強引にケチを付けるならグリス(CPUとヒートシンクの間の溶剤)がインテルの固い灰色のやつな事。
しかしこれもコストダウンと推測すると
- 誰にでも取付作業が可能(時給数百円のパートや派遣でも出来る)
- バルクCPUと数百円の中国製クーラーよりインテルのBOXが安い?
- レサンセシリーズは完成品、BTO PCのような手間が少なく量産可
インテル純正クーラーはCPUに載せて上からピンを4本押すだけなので、やり方を知っているなら子どもでも出来るくらい簡単。
CPUをバルク(トレイに複数個載っているまとめ買い)にするとCPUクーラーは別売りの物になり、となるとグリスを塗る作業工程が増加。技術も多少は必要で塗りに個人差が出る為、安い完成品PCとしてはインテル純正が妥当でしょう。
以上、後継機種などレサンセシリーズはこちら。次回はベンチマーク編、そしてラストは総評にて終わる予定。
続きは公開後、この下へリンクが出現する仕掛になっております。
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