パソコンは家電とは言えず、故障し易いものです。
理由は回転部品が多く、発熱する上にそれを放熱する為にやはり回転部品を使っている事。物理的に回っているわけですからいつかは壊れる。運が良ければ10年以上もつかと思いますが、経年で故障する確率は上がって行き、やはり運で壊れるもの。
個人ブログに書かれていた記事が興味深いため否定せず解説します。
今日の秋風M | BTOパソコンは壊れやすい?
http://whitemixi.blog37.fc2.com/blog-entry-327.html
有名メーカよりBTOパソコンは壊れやすい?
書かれている方の環境を判る限りで箇条書きます。
- ナショナルブランド(有名メーカー)とBTOメーカーの比較
- 現在のPCはBTOメーカーA
- その前もBTOメーカーAで4~5年使用
- 5年以上前は有名メーカーPC(おそらくノート)
質問形式とし私が回答者という感じで行きます。
(BTOメーカー製品は)パーツを増やす、初期設定変更で異常発生
分解という程でも有りませんが、以前中途半端に修理したVAIOを例にすると、使われているパーツは全てBTOメーカーと同様の部品で、ケースの構造やマザーボードがOEMであるという点が大きな違い。
パーツの増設や初期設定(BIOSの変更など)は、市販のリテールや型番そのままのバルクを使用するBTOメーカーの方が簡単。SONYやNECなどはメーカーオリジナルのBIOSを作らせており、私にはそちらの方が設定しづらく検証も困難と思います。
DELLもそうですが、メーカー製PCはケースの構造からパーツの交換や増設が難しくハナからそんなことをしようという人間が少ないのでは無かろうかと。HDD交換やメモリ増設程度なら簡単ですが、電源ユニット(ファンの向きや凹凸)がケースに合わせて製造されていたり、上記リンク先のVAIOのようにヒートシンク着脱が困難という事もあり、普通はそこまでしないと考えます。
有名メーカーパソコンは熱暴走はしやすいものの今でも起動する
4~5年前より更に以前数年使われた有名メーカーPCの事になりますが、熱暴走という事は相当な年代物。PC98前後の代物と推測しますが、熱暴走というウソの記事で書いた通り、一時的なもので起動するなら完全な故障はしていません。
10年も前のパソコンとなれば、NECなどが自社工場で基板(マザーなど)を製造していた事も有り、実際に現在のパソコンのように故障しづらく、但し性能は相当低いという特徴有り。大昔のパソコンは頑丈で、特にHDDを搭載していなければ今でも結構動くものです。
OSがMS-DOSならWindowsのように固まらない、なども有りますが、文脈からそこまで古いパソコンでは無さそうではあるものの、そうなると熱暴走とは何を指しておられるのか興味有り。
(有名メーカーPCは)液晶の寿命で黒い斑点が出ている
ドットならば欠けていると言えますが、斑点という事は丸く大きめなバックライトの光が届いていない状態となり、推測ですが液晶パネルが割れている可能性が高い。
液晶が割れると水を掛けたような斑点の他に、ひび割れた直線から水が滲み出しているような黒い墨に見える状態に。液晶が割れてもパソコンの動作には無関係な為、外部出力する事でそのまま使えます。
ネットで「壊れて変えた」と言われるのはBTOパソコンが多い?
多いメーカーは価格コムで言えばSONYとDELLで、ハーキュリーズやレインのPCが故障したという口コミは少なく。理由は分母の大きさで、出荷台数が文字通りに桁違いのため、それだけユーザが多く情報も多種多様。
そして富士通や東芝、NECのパソコンを買う属性と、ドスパラやマウスなどのBTOを選ぶ人間のどちらが2chや価格コムなどの掲示板、OKWaveなどの質問板への回答をしているかと言えば後者では無かろうかと。
情報発信や回答者には仕様や価格にこだわるユーザが多く、年賀状印刷やデジカメ画像整理をしているユーザは質問はするけれど、回答や情報発信まではしないという理由も有るかと。
当たり外れはあるとしてもその「外れ」が多いのか?
有ると思います。
パソコンではありませんが、私の場合は家電でソニーとパナソニックは非常に外れが多い。東芝とビクター製品は故障した事がありません。逆に東芝が良く故障しソニーしか買わないという人間も居る為、1回の経験から「このメーカーは悪い」と決め付けられるものでは無いでしょう。
同じ製品でも経年や使い方に限らず故障する時はする上、特にパソコンは運の要素が高いため、金額やメーカー問わず故障する時はすると考えます。
メーカー製PCからBTOへの買替え理由はスペックが不足が多い?
多いかと。
理由は、3~4年前のNECや富士通など有名メーカー製品はWindows XPでありながらメモリが128MBや256MBが普通。512MB搭載の特にノートPCとなれば、軽く20万円を超える高級機しか店頭にはありませんでした。
この頃からBTOメーカーは、自作より安く付くという事でマニアックな人々が乗り換え始め、彼らのお陰で知名度も上り、以前は考えられなかった「富士通にするかドスパラにするか」という選択肢という考え方になっております。
スペックを重視するならBTO(または自作)、デザインは有名メーカー。
有名メーカーは値段が張りますが、多くの審査を通って販売?
直接的には関係無く、有名メーカーPCの価格の高さは宣伝費。一流メーカーだからこそ国内で働く人間の人件費が高い事も有り、全て製品に対して乗っかります。
BTOは受注後の生産のため、在庫はパーツ単位で細かく分けているものの、ナショナルブランドは完成品を大量に在庫するため、競合の出方や需要の大小によりデッドストックになる前に赤字で売りさばく事に。それも次期製品の価格に乗ります。
BTOパソコンはどこまでの基準の審査を通ってるのか?
パーツ単位で検証し、負荷テストや温度による耐性、相性などを調べます。
有名メーカーと同じパーツやベアボーンを使用するため、推測ですが同じような検査内容では無いかと。審査基準の定義が解りませんが、有名メーカーの審査が厳しい事はデザインや色が強く入ると思われます。
故障と無関係と思われるかも知れませんが、デザインにより圧縮されたケース内の空間はエアフローを相当考えねば、普通の箱型ケースより何かのパーツによろしくないかも知れず。丸かったり薄かったり以外にも、薄型ノートパソコンという究極デザインも有ります。
パーツの基準はクリアしても完成後の審査はザルのような感じ?
確かに。1種類の構成で完成品を丸ごと徹底的に検査をする有名メーカーと、カスタマイズによるパーツ単位で選べる組立PCでは完成後の検査は、BTOでは短時間になります。
受注や入金後、5営業日で出荷なら出荷手配や受注処理などで実質3日程度の検査となり、OSもカスタマイズになる為、インストール後の点検は動作確認のみというメーカーもあるのでは無かろうかと。
ドスパラやフロンティア、マウスコンピュータなど大規模な工場で組み立てていれば流れ作業で検査をされると想像出来ますが、ショップで組立をし店員が検査してアルバイトが出荷するという小規模なBTOも有ります。
自作よりやや厳しい検査と言えるかと。工場出荷前に必ず動作確認はしているものなので、届いて壊れていたという初期不良は、運送中に何かあった可能性が高く、そうで無ければユーザ過失(コンセント差してないなど)が多く有ります。
BTO、有名メーカー製共にサポートが大事
質問掲示板では自称初心者の方々が多くこの質問をされていますが、サポートとは何を指しているかにもよりますね。
- ソフトウェアの使い方を知りたい(ソフトウェアサポート)
- Windowsの操作で分からない事がある(OEMサポート)
- Windowsが不安定、固まる、電源が切れる(電話サポート)
- 明らかなハードウェア異常(修理サポート)
- うっかり物理破損をして保険を使いたい(品質、保証サポート)
今思い付くのみでも5種類になりましたが、どれを指して「サポートの良いメーカー」を探すかによります。 1は後でインストールしたアプリケーションなら、そのソフトウェアのメーカーサポートとなりPCメーカーでは対応しません。
2のOEMは、メーカー用Windowsがそれにあたり、マイクロソフトがメーカーへ安く提供する代わりにPCメーカーがWindowsの使い方などをサポートするという形態。100%近くのメーカーは直属の技術者などでは無く、専門の派遣や家内制アルバイトが対応します。
3も派遣やアルバイトがほとんどですが、PCメーカーがアウトソース(コールセンター専門業者)へ提供するマニュアルの完成度や、業者のレベルにより変わります。DELLなどは自社サポートのようですが日本人以外の方々が電話口で頑張っておられます。
4の修理は、それ以前に電話サポートによる判断となり、3の判断するレベルが低ければ故障していなくとも修理依頼として預り無駄な時間を過ごす事になり、3と4は連携したサポートと言えましょう。
5は保険会社と提携し、液晶をぶっ壊したりノートを落としてハデに壊れたなど、本人の故意で無ければ修理交換するもので、PCメーカーの経理部署が担当している事もあるかと。
本当に完璧なサポートが欲しい場合は、有料で地元のサポート業者に相談した方が速く広く相談に乗ってくれます。
有名メーカーとBTOパソコンの違いは?
BTOメーカーだからという理由でリスクが有るとは言えず、私がBTOメーカーで修理をする以前、当時のNECの電話サポートと富士通の修理内容は結構ひどいものでした。今は知りません。
パソコン全体の価格が下がり、既にデスクトップは作らず利幅のでかいノートや一体型で売っているナショナルブランドも有ります。一流メーカーには一流の人間ばかりかと言えばそうでも無く、BTOメーカーなら阿呆ばかりかと言えばそれも違う。
数千万や億単位の宣伝費やオリジナルデザインへの出費以外に、平均月収30万の人間が100人働く有名メーカーか、20万の人間が30人で回す中小メーカーかでもパソコンの価格は変わり、在庫金額の切り捨て方も掛かって来るため、ナショナルブランドは高額。
しかし中身は同程度のパーツです。ソースが有りませんが、DELLとMacのマザーボードが同じ「製造メーカー」という記事をどこかで見ました。
BTOパソコンが壊れやすいのでは無く、パソコンという物が壊れやすいという事で、BTOパソコンだからというリスクは有りません。失礼、私の主観では無いと思います。
<1/24修正>3行程上「製造メーカー」を追加
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