久々にONKYOからパソコンの新製品。
法人向けに売れているらしいスレート(タブレット)PCは相変わらずWindows7で益々高性能に。ウルトラブックはBTOメーカーの他社製品と比較すると、かなり頑張っていると思われるのでこれら2種類を見て参りましょう。
個人的な感想は、このスレートPCは否定、ウルトラブックは上手い。
ONKYO(オンキヨー)はタイピングし難いので以下オンキョーと表記。ちなみにオンキョーはタブレットPCでは無くスレートPCらしいので、今回はスレートと表記するけれど物は他社製品と同じような板PC。
新製品情報とオンキョー社長の提案を読むだけならこちらが詳しく分り易い。
【PC Watch】 オンキヨー、Core i7搭載11.6型スレートPCなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120319_519805.html
大きく分けて4種類。
- ウルトラブック(DR6A-US31):89,800円・・CPUはCore i7、SSD搭載
- スリムブック(DR6A-AS31):59,800円・・CPUはCore i3、HDD搭載
- スレートPC(TW3A-A31)119,800円・・11.6型、Core i7搭載
- スレートPC(TW2A-A25Z7M):69,800円・・医療機器などの通信規格対応
太字にした2種類で感想文を書き綴って参ります。
新スレートPCは11.6型で高性能、重量1090グラム
先に新スレートから。価格は約12万円の高級品。
何故やたら高額かは性能が高い以外、オンキョーのスレートPCはOSをWindows7にこだわっている為。
主な仕様をパソコンのように一覧。
- OS:Windows7 HomePremium 32bit
- CPU:Core i7 2677M(1.8-2.9GHz、2コア/HT対応、4MB)
- グラフィック:インテルHD~3000
- メモリ:2GB
- ストレージ:SSD 32GB(内、Cドライブ:16GB)
- モニタ:11.6型ワイド(解像度:1366x768)※静電容量式
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth3.0+HS
- その他:USB2.0x1、miniHDMI出力端子、カードリーダー など
- バッテリ駆動:約6.1時間
- 重量:1.09kg
ノートPCからキーボードを取ったような物。
個人的にオンキョーというよりWindows搭載タブレットPCを否定する方向なので、上より片っ端から否定して参ります。
Windows7でHome~32bitは一般向けなら良いけれど、法人向けと謳っているなら12万円の割にこの程度とコストパフォーマンスは最悪なので、標準でProfessionalを突っ込んでおくべきでしょう。
Windows用だけは有りCPUは高性能。ノートPCなら良いけれど、スレートPCの場合は持ち歩き用になる為、ここまで性能を高くして発熱させる理由が不明。但し、下位2機種にCore i3やCeleron搭載機種は一応存在。
グラフィックはどうでも良いとし、メモリ2GBもまあ良いとして、問題はSSDなものの容量が32GBとなめているような少なさ。Windows7ならどうしても大きめなファイルをローカルに保存する事になり、なぜこの価格で64GB以上にならなかったのか理解出来ず。
モニタはネットブックと同じか大きめと言える約12型。高解像度は良いとしても、画面サイズが物理的に小さく、同時に文字やアイコンも表示は小さくなり、指によるタッチ操作では致命的な操作性の悪さに繋がりましょう。
最悪な箇所が重量で、別の例として私はドコモ経由でGALAXY Tab(7インチ)を持っておりますが、今重量を測ると約350g。これでさえ片手操作ではやや重いと感じるけれど、オンキョーの新スレートは約3倍。小型レッツノートやVAIOを片手、しかも端(画面の枠部分)を持ち操作する感じになり体感での重さは計り知れない。
見た目では分からないけれど、CPUが高性能な故に高負荷時は冷却ファンの回転が半端無いと推測すると、ノート並に重く操作しづらく騒音性の高い正にスレート(瓦)やタブレット(石版)のような物。
バッテリ駆動は約6時間少々となっているものの測定方法の表記無し。国内メーカーが標準的に使うJEITA測定なら、無線の接続時間やCPUの高負荷が続くと6時間は確実に無理でしょう。
他の製品でも見た目だけレビューは常に厳しめに書くけれど、ここまでスラスラと楽に大量のケチを付けられた事は無し。何を考えて製造したのか意味不明。
法人向けなので、約12万円は参考価格。複数台購入の際に万単位で値下げして行く為の設定でしょうな。
発売時期もおかしく、IvyBridge発売数ヶ月前、Windows8まで後半年くらいの今、在庫になると腐り易いスレートPCは無かろうと。
どうしてもWindows7を大きめかつ高解像度でタッチ操作したいなら有りかも知れないけれど、先に書いた通りキーボードを取り払い使い難くしただけなので用途が解らない。オンキョーには秘策のような提案が出来ると思い込む事に。
CPUファンを複数搭載し、ホバークラフトのように会議テーブルを移動出来るなら凄いかも知れない。
ウルトラブックは高性能な割にDELL並の安さ
ウルトラブックは他社でも有りそうな普通の薄型ノート。
個人的に好きな色と質感。
戦闘機カラーのようなつや消しの灰色は爆撃機の如き気味悪さを感じてハァハァ出来ましょう。出来なくても結構。
主な仕様を一覧。
- OS:Windows7 HomePremium 64bit
- CPU:Core i7 2637M(1.7-2.8GHz、2コア/HT対応、4MB)
- グラフィック:インテルHD~3000
- メモリ:4GBx1
- ストレージ:SSD 128GB
- モニタ:14型ワイド液晶(解像度:1366x768)
- 無線:IEEE802.11b/g/n
- その他:USB2.0x3、1000BASE-T対応、Dsub-15pin(出力) など
- バッテリ駆動:約8.6時間
- 重量:1.69kg
- サイズ:高さ(厚み)最小15.8~最大19.3mm
これで価格は約9万円。
いつものオンキョーなら何かと良く解らない特徴を付けて12~13万円になるところ。ウルトラブック補助金がインテルから出ている為でしょうか。
これがどう割安かは最安や原価を推測するより、他社のウルトラブックがどの程度の性能と価格か見ると比較し易い。
先日のまとめ記事に突っ込んだDELLのウルトラブック。
DELLがウルトラブック「XPS13」発売
https://bto-pc.jp/etc/2012-03-18.html#sec1
性能を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64ビット
- CPU:Core i5 2467M(1.60-2.30GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテルHDグラフィックス3000
- メモリ:4GB デュアルチャネル(DDR3 1333MHz)
- SSD:128GB
- モニタ:13.3型ワイド(解像度:1366x768)
- 無線:IEEE802.11a/b/n、Bluetooth3.0+HS
- その他:USB2.0/3.0、mini DisplayPort
- バッテリ駆動:8.88時間
- 重量:1.36kg
- サイズ:最薄部6mm~最厚部18mm
USB3.0やBluetooth標準などオンキョー側には無い物が付いているけれど、性能の要になるCPUはオンキョーのウルトラブックの方が性能上。
価格はDELLも約9万円なので、オンキョーがなぜDELL並に安く出来たのか不思議。送料で若干オンキョーが高くなるもののDELL並は凄い。
HPのウルトラブックはFolio13の発表記事。
HPが本物のインテル提唱ウルトラブック Folio13を発表
https://bto-pc.jp/select/hp-intel-ultrabook-aus.html
形式がやや違うけれど、似たように主な仕様を一覧。
- CPU:Core i5-2467M(1.6-2.3GHz、2C/4T、キャッシュ3M)
- メモリ:4GB
- ストレージ:128GB mSATA SSD
- モニタ:13.3インチ(解像度:1366 x 768)
- I/F:USB2.0x1/3.0x1、HDMI、有線LAN 、SDHCカードリーダー
- その他:キーボード(バックライト付)
- バッテリ駆動:9時間(6セル)
- サイズ:約1.49kg、厚さ18mm
HPもDELLと同じくi5-2467Mを搭載しており、こちらは価格が約8万円と1万円安め。HPの高性能ノートはかなり安価に設定されており、オンキョーの価格はやはり安い。
というわけで、過去のオンキョー製品と比較すると今回のウルトラブックは私に言わせると初の選択肢にオンキョーが入るレベル。
細かい仕様やメーカーのサポートなどは違うけれど、性能と価格から選ぶウルトラブックとしては大有りと言えましょう。
ONKYOの新製品よりウルトラブックとスレートPC(まとめ)
以前も書いた気がするけれど、私はオンキョーを嫌っているわけでは無く、評価の対象は販売している物の価値について。
私が良く叩くメーカーはオンキョー以外にエプダイやフロンティアなどが有るけれど、いずれも消費者を騙すような煽りコピーを出していたり、パソコンの価格が驚く程に割高な時のみ。
今回のオンキョー新製品は、スレートPCは相変わらずの意味不明。しかしウルトラブックは工人舎とかソーテックなど気にしなければ薄々ノートが必要ならよろしいかと。
本文ここまで、以下おまけ。
これも以前書いた気がするけれど、私は自分が書いた批評記事は全て否定(逆の意味に書く事)が出来る為、今回の内容も逆が可能。
例としてスレートPCを肯定。
Windows7のHome~で32bitでは、一見すると法人向けには見えないけれど、マイクロソフトがProfessionalエディションを主に法人向けと謳っているだけでPro~機能が要らないなら数千円安く出来る上手い仕様。その為に12万円を切れたなら上手い見せ方。
CPUがやたらと高性能でバッテリ駆動が主となるスレートPCには合わないように見えるけれど、i7 2677Mは性能が高めな割に最大TDP17Wという凄まじい省電力なので性能を下げる理由は無し。
しかしこのような高性能スレートPCが誰にでも必要かと言えば逆で、他社がやっていない物だからこそ提案さえ上手くやれば板PC市場の高性能需要を独占的に掴めるとも考えられましょう。
SSDのサイズが総容量でさえ32GBと小さく、更にパーティションが16GBで分割されている御様子。ゲームやリッピングしまくる感覚なら有り得ない小容量なものの、その容量に対する使い方をする前提なら問題無し。板PCの業務用途なら使用するアプリケーションは限られている為。
重量がモバイル用ノートPC並に重い理由は高性能な為以外、板PCではかなり大きめな画面サイズに有り。常に持ち歩くような使い方はせず、事務用デスクに立てて操作するなどなら問題無し。
Windowsかつ高性能CPUを搭載すると冷却ファンなどの騒音が気になると思われるけれど、静音が良いならこのスレート以外にも選択肢は多く有り、敢えて高性能を求めるユーザがこのスレートを選ぶ為、静音性はこの際言う事自体がおかしいかと。
以上、やや無理が有ったけれど何とでも書けるので、その製品をどう思うかは読み手次第。
パソコンやスレートのような高価な物を購入するなら他人(私)が書いた感想文の鵜呑みはせず、反論や用途からも何が自分に合うか考えてみましょう。
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