1月から値上がりし続けるメモリ系とHDD。
前回は1月19日の記事でネタにした通り、今年になり本格的に価格が上がりまくっております。逆にCPUなどはPCパーツの運命かのごとく値下がりしているので、全体的な値上がり傾向では無し。
適当に見て参りましょう。
なぜメモリ系やHDDが値上がりしているのか?
値上がりネタの前におさらい的に説明。
まず、SSDやRAM(完成品PC表記でメインメモリの事)の値上がりは、昨年の下旬頃からモバイル端末用のNANDフラッシュメモリが不足しており、需要に供給が追いつかないと夏頃から言われて来た後、本当に秋を過ぎて値上がり開始したという経緯がございます。
PC用のRAMやSSDには影響無いのだろうとタカをくくっていたところ、1月になり市販品がマジで値上がりスタート、最安が品薄になった時期が1月中~下旬頃。
詳しい仕組や設計は知らないけれど、メモリ繋がりでSSDとRAMも高騰したと思えば納得行きそう。
しかしHDDは無関係なものの、なぜ値上がりしているかは、為替相場の影響が多少あるのか。期間は2年としております。
source:アメリカ ドル / 日本 円【USDJPY】:外国為替 - Yahoo!ファイナンス
トランプ大統領就任までには1ドル130円は行くだろうと誰かがどこかで書いていたけれど、全然そこまで行っていない。
100円から120円くらいまで上がったという事は2割増しなので、1万円のHDDが1.2万円になったというなら分かる。しかし、現在は円高方向へ進んでいるのだから、そろそろ落ち着いても良いのでは無かろうか。
ここからは私の予想とか憶測だけれども、ストレージの需要がHDDからSSDへと移り変わる過渡期であり、製造メーカーが限られているので供給量が操作されている感。
HDDのメーカーは実質3社。
- Western Digital・・・HGSTを買収(2011年頃)
- Seagate・・・サムスンのHDD事業を買収(2011年頃)
- 東芝・・・東芝
いずれのメーカーもSSDを製造しており、Western DigitalはSandDiskを買収しており、Seagateはまだデータセンター用なもののSSDも製造しており、東芝は市販品が出た頃から自力でSSDを作っております。
それぞれについてはこちらの記事が詳しい。
12倍の方は元の分母が小さかったのだから指標としてはアテにはならないけれど、HDD全盛期はすでに過ぎており、2/3へ減少は鵜呑みしてよろしそう。
ではHDDが消えるかと言えばそれは当面は無いはず。
録画用にはコスパと容量に優れており、PC用ならばSSDのように即死せず、何らかの予兆を出してくれる可能性があるのでバックアップ用としてはSSDより信頼度高いと思う。
というわけで、2月末頃の値上がりを見て行きましょう。
SSDとRAM同様にHDDも値上がりが続く
元ネタは定番のこちら。
Core i7/i5中心に小幅に値下がり - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/price/monthly_repo/1045694.html
リンク先でこれらの枠を押すと切り替わるので気になるページをどうぞ。
現在の価格もいつも通り価格コムで。
価格.com - パソコン
http://kakaku.com/pc/
HDDは3TB以下が売れ筋上位に
昨年までは4TBも5位以内に入っていたはずだけれども、現在は6位以下へ転落しております。
下で切れている6位のWD製4TBは13,600円なので1千円くらい値上がり。私が購入した東芝製4TBは1.3万円くらいなので昨年とそう変わらず、またはほんのり値下がり。
価格推移を見ると、SSDやメモリほどは高騰しておらず、しかし値下がりする運命がPCパーツの定めとするならば、価格維持や少し値上がりの時点で平常運転とは言えない。
HDDはプラッタが不足とか聞いた事が無いので、為替相場が円高へ傾き続けたなら数ヶ月以内には昨年と同じか下回ると予想。
SSDは2割増し感でTLCが主流に
メモリほどでは無いにしても昨年の価格を見ていた私には割高感が凄い。
500GB級が1.3万前後から1.5万円前後へ、余裕で1万円を切り8千円程度だった250GB級が1万円前後。上を見ると1TBは余裕の3万円オーバーとか凄まじい。
ちなみに前回の1月の値上がり記事を書きつつ、「これはガチだ」と確信し滑り込みで購入したHynixの500GB級がこれ。スクリーンショットの日付は1月20日、おそらく購入日。
在庫を切らせて入荷しないのか、取扱はNTT-X Storeの1店舗のみだったので現在はランキング圏外。
本当はM.2用のNVMe対応なSSDを買おうと思っていたのだけれども、安めなインテルはWriteの速度がSATA用2.5インチSSD並に遅く、他のメーカーは高額過ぎるのであきらめた。
M.2のNVMe対応品は2.5インチどころでは無い値上がり傾向なので、今買うなら相当な覚悟が必要かと。
メモリ1GBあたり500円の時代は過去話
最もひどい値上がりがメモリ。しかし昨年までが激安だったと思えば、円安当時よりはまだ安いという逆な印象も。
以前は4GBx2枚ならば4千円くらいが最安の相場、それが余裕で5千円を超えており、1GBあたり500円では買えないレベルへ。
8GBも8千円台では無く1.2万円という水準まで高騰しており、今から自作するには時期が悪そう。
CPUは値下がりしつつ安定へ
1位のCore i7-7700Kの価格推移。
2位のPentium。
特にi7の方は出た当時の価格がご祝儀レベルにひどかったと感じており、それなら第6世代買うだろうと思われる4.7万円級。現在はi7-6700Kと同じくらいまで低下しており、これでようやく新しい方が良いかと思える値下がり。
i7よりPentiumの方はすでに安定しており、これ以上の値下がりは円高が進むか数ヶ月待たねば6千円台を切るのは難しそう。
その他、グラボ(ビデオカード)も全体的に値下がりしており、現在の人気はRadeonの上位とGeForceの1050 Ti~1070辺り。
さすがに1080 Tiリリースを控えたこの時期に上位モデルは手が出ない、またはグラボの予算は3万円前後かそれ以下でより性能高めな物が選ばれていそう。
BTOパソコンなど完成品PCへの影響は?
1月に私が書いたまとめ文より。
12月中旬よりメモリ系が値上がり始めたという事は、量産系BTOパソコンの価格への影響は2月頃から出ると思われ、春の新生活応援などのセールでは低価格化には期待出来ない。
というわけで、実際の売り場を見る限りでは予想通りとなっており、新製品やモデルチェンジ後の機種は昨年より多少高め。とはいえ数千円程度。
自作PCも完成品ユーザも同じで、為替相場や株式ではないのだから安い時に買う物では無く、パソコンやパーツは必要になればいつでも買う物。
安いから、値上がりしそうだからと500GB級SSDと4TBのHDDを滑り込みセーフで購入した挙句、換装が面倒だからと未だにどちらもすっ転がしている私がそう言えども激しく説得力がござらない。
次のケース内クリーニングは6月頃の予定なので、6月まで放置プレイが続く可能性が高め。
「今は時期が悪い」は良く使われる言葉なもののパソコンには当てはまらず、必要ならば買い、要らないなら待ちでよろしいかと。
要らないけれどパーツ買ってみた私が(もういい?
>HDD世界出荷台数は過去6年で約3分の2に減少
Windows7のService Pack 1提供が2011年2月ですから、6年前といえばその辺りの時期ですね。SSDの導入が本格化し始めた時期、といえば確かにそのくらい。
>バックアップ用としてはSSDより信頼度高い
加えて、故障しても修理できる可能性が高い、データが破損しても部分的には取り出せる場合もある、くらいの利点は挙げられるでしょうか。
>HDDは3TB以下が売れ筋上位に
4位に1TBが入るとは驚き。価格差は少ないですし、どうせ単体で買うなら2TB以上が良いと思うのですが、1TBで十分なユーザが多いのですかね。
>SSD
ランキング1位から5位まで、全て発売日が「2016年4月から7月まで」ですから、安さだけ見て購入している訳でも無いですね。HDDと違って性能差が激しいですから、値上がりしている今、不自然に安いモデルへ条件反射で飛び付くのは危険。
>メモリ
Crucialが上位を独占は壮観。見切れてますけれど6位もCrucialですから、5位まで独占もタイミングによっては実現可能なようですね。SSDとRAMで、上位3位をCrucialが占拠するようだと、どこぞのメーカがセールにでも挑戦してくれるやも。
>必要ならば買い、要らないなら待ちでよろしいかと
要らないパーツは買ったことがありませんけれど、Win7のDSP版は「いま使っているDSP版とセットのパーツが故障したら使おう」と思って余分に1つ購入して以来、ついに使うこと無くWin10を購入してしまいました。