公開されニュースに流れるPC関連の数値について。
出荷台数や金額、メーカー別のシェア以外に最近はタブレットPC(主にiPad)が混在していたり、条件が曖昧になっており注意する事。私が書く内容なので難しくは無く、小学生の算数レベルなので御安心有れ。
最近のパソコン出荷台数や比率など統計の見方
見出しは私が要点を抜き出し、カッコ内は左から、対象地域、ソース(データの出典)、種類、としております。
とりあえず片っ端からケチを付けて行くので、その手の書き方が嫌いな人は最後のまとめへすっ飛びましょう。
業務用PCの買い替え頻度は4.1~4.6年(国内、IDC Japan、統計)
企業を対象にパソコンの買い替え時期をIDCが調査。
PCはどのくらいで買い換えているのか?- ITライフハック
http://itlifehack.jp/archives/5470404.html
やけに短い利用年数。
ビジネスPCでは、平均するとデスクトップは利用年数が4.6年、ポータブルは4.1年のようだ。
4.6年とは5年リースが切れる前に買い替えたり、平均という事から3~7年リースも有り4.1~4.6年に落ち着くという事でしょうか。
中小企業ではそこまで頻繁に買い替えないと思われ、リース終了後に買取りする事も有るでしょう。ここまでは私の想像や妄想。
この調査は、2009年4月、2010年1月、2010年7月、2011年4月の4回にわたって断続的に行われてきた。前回と比較すると、デスクトップPCは0.4年、ポータブルPCは0.5年、それぞれ延びていた
デスクトップは判るけれどポータブルPCという言い方が気になりますな。ノート以外にネットトップや一体型の小型モニタも含まれるという事でしょうか。
利用年数が5~6ヶ月伸びている事には納得したい所ですが、パソコンはここ2~3年で急激に価格が落ちており、価格を考えると伸びるとは矛盾。
企業のPC製品に対する評価は、全体の86.0%が「満足している」と答えている。前回の85.4%と比較して0.6ポイント上昇しているところから、比較的に満足度が高い
皆様は満足されているでしょうか。
私の職場はパソコンの環境に強い責任者が居る為、業務には支障が無いどころか家並に快適ですが、未だにサポート切れの古いWindowsは有ると思われ、価格の面から性能が低い物を掴んでいるなら、満足では無い率14.0%は低過ぎましょう。
この調査は、大企業や利益「額」の多い法人に偏り過ぎていないかと。モニタセットでPC1台7万とするなら、中小企業がそれを3台購入する事と、大企業が30台では意味が変わるかと。
元のデータは更に詳細が有るのやも知れませんが、これだけでは鵜呑みしてはならないデータ。この記事をソースに「他社の買い替えは4.6年、満足度86%」とか言われても説得力がございません。
とは言え、他にも参考になるかも知れないデータが載っているので、興味が有るならリンク先から全文もどうぞ。
Windows7搭載PCは2011年末に47%へ(世界、Gartner、予測)
外れそうになると修正しまくる、ガートナーの予想。
Windows 7搭載PCが年末までに世界の42%に - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1108/10/news030.html
2011年末に、と区切っているという事は、外れそうになった場合は10月頃に修正が入ると私も予想。
世界PC市場に占めるWindows 7の割合が、2011年末までに42%になる。米調査会社のGartnerは8月9日(現地時間)、世界のPC向けOS市場予測を発表した。
世界中を対象に、新規出荷(販売やリース)分では無く利用率でWindows7搭載PCが42%になるという事ですな。
Gartnerはまた、同年に出荷されるPCの94%にWindows 7がプリインストールされるとみている。
発表は8月9日なので、94%の根拠は7月または6月までの約半年分を元に推測した数値と思われます。
これには文句は無いけれど、という事はガートナーはタブレットPCはパソコンでは無いとしているようなもので、タブレットPC搭載のWindows7は含まないという事でしょうか。
記事の最後に別の企業が取っているデータが公開。
分析会社Net Applicationsによると、7月時点の世界のOSシェアでは、Windows XPが49.69%で首位にあり、Windows 7は27.92%の2位となっている。
Windows7発売から今年の10月で丸2年。
データの取り方が違う為のズレかと思いますが、これらを照らし合わせると、(Net Applicationsでは)20ヶ月で約28%になった数値が、(ガートナーでは)5ヶ月で約14%伸びる事になり、平均するとここから2倍速で普及していく事になりますが本気でしょうか。
ガートナーの調査方法が判らない事には何とも言えませんな。
本文内にリンクの有るNet Applicationsのデータは、ブラウザ別やトレンドなども有り、何か参考になるかも知れません。
source:Operating system market share
ちなみに切り替えは上の窓では無く、リンク先の左メニューから。
Appleは「ノート」市場でシェアトップ?(海外、Deutsche Bank、妄想)
なぜマイコミが取り上げているのか不明なデータ。
AppleはノートPC市場ですでにシェアトップ? | マイコミ
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/08/10/063/
ノートはAppleシェアが急伸するかも、との事。
ある市場調査アナリストの予想によれば、ノートPCのカテゴリにおいて今年2011年後半にかけて米Appleのシェアが急伸してくる可能性があると指摘している。
最近アップル製品は安いから?と思いきや、ソースはこちらのグラフ。
Apple portable computers set to dominate the rest of 2011 - Apple 2.0 - Fortune Tech
http://tech.fortune.cnn.com/2011/08/08/apple-portable-computers-set-to-dominate-the-rest-of-2011/
何が起こっているか判らないかと思いますが、右端に2Q11(2011年の第2四半期)が2つ有り、右端はタブレットPCをノートとして混在させた時。1つ左の数値まではノートのみ。
内容の違う数値を折れ線グラフにしている時点で騙す事が目的かと思ってしまい、ノートのみとタブレット混在の最新四半期が繋がっている意味が不明。
やたら大げさに伸びているように見えるものの、繋がっている以外にy軸が0~25%なので更に大袈裟に見えます。
マイコミが良い事を書いております。
タブレットをノートPCに含むかにはさまざまな意見があるかと思うが、「ASUS Transformer」のようにタブレットとノートPCの中間に位置する製品も登場してきており、今後Windows 8の発表でその境はさらに曖昧になるだろう。
以前書いたネタ過ぎるスレート(タブレット)PC特集にある物は、ノートだと言えばノート。タブレットと言えばタブレット。
Windows8のARM版(主にタブレットや電話に使われるCPUの構造)が出ると、Windows7と8を分けるべきかとか更にカオスな状況になりそうです。
Acerの板PCがiPad2を抜き販売1位?(国内、BCNランキング、勘違い)
BCNランキングと言えば、ミニアンケートの調査結果はいつも50%以上がAppleユーザという特殊なサイト。但しランキングは家電量販店のPOS(レジ)データなので偏りは少ないかと。
嘘をついて「iPad 2よりICONIAが売れている」と印象操作するマスコミ | デジタルマガジン
http://digimaga.net/2011/08/ipad2-vs-iconia
デジマガのお家芸、編集長の十八番とも言える煽り記事。
なお、今現在、YOMIURI ONLINEのサイトでは同記事が何事もなかったように消されています。なぜ消したんでしょうね。
読売新聞のエントリー(記事、ページ)はこれに限らず時限式で消えて行く仕様と思われます。余談ですが、それが理由で私は読売新聞には過去リンクをしておりません。数日で削除されてしまう為。
何がおかしいかは、元記事と思われるjapan.internet.comの勘違い。
日本エイサー「ICONIA TAB A500」がタブレット端末シェアで1位に - japan.internet.com
http://japan.internet.com/allnet/20110811/5.html
BCNランキングは機種別に順位を出しており、それを見たjapan.inter(略)の執筆者が良く判らずに書いたのでしょう。
デジマガに有る通り。
- iPad2 Wi-Fi 52.9%
- ICONIA TAB 20.6%
これで合っているけれど、読売叩きはお門違い。japan.(略)の統計は、私も時々利用させてもらうものの、毎回「これはおかしくないか」と突っ込みを入れる程度。有料版はまともな統計になっているのかも知れないけれど。
まとめると。
- BCNランキング・・機種別になる仕様
- japan.inter(略)・・頻繁に変なデータが上がる仕様
- 読売が記事削除・・そういう仕様。japan.(略)と提携し転載
- デジマガの読売=マスコミ叩き・・やり過ぎ
と私は解釈しております。
パソコン出荷台数や比率など統計の見方まとめ
公開されるデータを鵜呑みしてはならないというわけで、私が毎月上げているデータも信頼性は高くは無く、過去と相対的に見るものとしております。
source:Win7利用率と検索エンジン別IE利用の割合(2011年7月) - BTOパソコン.jp
てきとうにケチを付けると。
- 集計に使っているGoogle Analyticsの仕様詳細が不明
- 数値が少なくユーザ属性(マニア、一般、企業、性別などの割合)が曖昧
- Yahooニュースや2chまとめサイトにリンクされるとブレがでかい
など。
今回取り上げた4つの記事は突っ込めるからという理由で選んだ物では無く、最近上がり私の目に入ったニュース全部。
国内の出荷台数の定番としては、JEITA統計やMM総研が有力なものの、JEITAは外資系(DELLやHP)が入っておらず、MM総研はBTOやショップブランドが入っていると思えない統計。
これらのデータは偏りが必ず出るもので、どこが甘いかを良く見て利用させてもらいましょうという事で悪いとか全部誤りと言っているわけでは無く。
自分用として見る物として留めるが安全という話でした。
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