Windows 8の失敗が数値に出た2013年Q1のPC出荷減

2013年4月16日

Windows 8発売から約半年。

PC出荷台数は月や年以外、四半期(1年の1/4)で分けられる事も有り、今回の数値で世界規模の集計はその第一四半期になる2013年1~3月の数値。8がどのくらいひどい失敗をしているのか適当に見て参りましょう。

ちなみにタイトル、Q1のQはQuarter(1/4)、1は1番目の意味。

8の発売日は2012年10月26日。

昨年、四半期でいうと2012Q4(10~12月)は、8発売前の約1/3が7のみなので数値が混ざっていたり、新Windows発売直後で多少の盛り上がりは有ったかと。

2013Q1のWindows8販売期間は100%。前年割れがあまりにもひどい為か、ようやくIDCが8叩きを始め、手伝うかのようにウォール・ストリート・ジャーナル(以下、WSJ)が暴れております。

 

世界PC出荷台数は前年比13.9%減、過去最大の減少率

Q1前年比は約14%の減少。1994年以来で過去最大との事。

世界PC出荷台数、13.9%減と過去最大の減少率─IDC調べ - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1304/11/news032.html

idc-wpc-2013-q1.jpg

source:PC Shipments Post the Steepest Decline Ever in a Single Quarter,  IDC

グラフは2012年1月より、3ヶ月単位での前年比。

2012年Q2(4~6月)からマイナスになっており、7月から大きく(-8%台まで)落ちて12月まで継続。そして予想屋IDCが妄想した7.7%減を大きく下回り、とぼけていたIDCもようやく素直になったご様子。

Windows 8は残念ながらPC市場にポジティブな影響を与えることに失敗しただけでなく、市場の成長を遅らせているようだ

WSJの記事ではIDCの他の意見も。

IDCは、ウィンドウズ8がPC需要をかき立てられないどころか、タブレット・モードの使い勝手が悪い一方で伝統的なPC技術の評価を落として消費者を混乱させ、PCの後退を加速していると指摘した。IDCのアナリスト(略)は「これがウィンドウズ8への反応の現実だ」と述べた。

消費者や秋葉原のショップ店員は、発売直後または発売前から「知ってた」事を今更気付かれても困る。

マイクロソフトが夢を見続ける限り、PCメーカーは悪夢を見続ける事になり、一部の消費者も巻き添えになって行くのでしょう。

 

国内PC販売台数はノート2割以上、デスクトップ3割以上減

今度は国内。「出荷」では無く「販売」数。そして2~3割減は3月の事。

ASCII.jp:国内PC販売数はノート22.5%減/デスク32.8%減—BCN (1/2)
http://ascii.jp/elem/000/000/779/779297/

bcn-research-2013-03.jpg

赤紫は金額、毎年落ちて当然なので無視し、薄紫の台数をどうぞ。

BCNの調査は家電量販店のPOSデータなので実際に売れた数。通販は含まれておらず、店での実売数で比較されております。

なぜ騒いでいるかはノートの左下の薄紫(76.5)でしょう。デスクトップ(家電店なので一体型PCの事)は昨年4月から前年割れしまくっており、こちらは製造数が少なくなっている事も原因かと。

Windowsが8になり、しきりにタッチ操作を宣伝されると、一体型PCは大きさや角度、モニタまでの距離に難が有り、需要や供給の減少は当然の流れ。

JEITAによると2月の出荷台数は前年並と有った為、3月に売れていないという事は単純に店頭在庫が過剰はなず。

これを叩き売りしても売れないと家電店も気付いた時、本気でWindows8どころかパソコンは見放されてしまう方向へ行くかも知れず。

そう考えると、家電店では一般ライトユーザ向けにタブレットPCやスマホを提供、通販は7パソコンでねばるという形になりそうな予感。

もう一つ、良い調査結果が有るのでこちらもどうぞ。

bcn-research-touch-panel-2013-03.jpg

タッチパネル搭載PCの割合、台数は紫の棒、数値(y軸)は左。

左上のタイトルの上に有る通り「販売台数構成比」なので、売り場に有るとか出荷した数では無く、タッチパネルPCが売れた割合。

ノートの方が若干高いけれど、デスクトップいずれも10%前後。昨年からタッチパネル供給不足と聞いていたけれど、少数製造=売れなかったら怖いから量産出来ない、のでは。

個人的には、Windows8ではタッチパネルが標準になり、価格が抑えられたなら多少は良くなるだろうと感じておりましたが、タッチパネル搭載PCは供給不足やメーカーのビビリ具合も有るけれど、ユーザに求められていない、店員が勧めていないとも考えられましょう。

もう一つ、貴重データを引用。

Windows 8搭載PCは、ノートPC全体における構成比が84.5%、デスクトップPC全体中では68.7%

売れている数に、ノート約15%、デスクトップ約30%がWindows7とすると、4月以降は更にやばいかも知れませんな。

その他、タブレットPCと比較しているけれど、普及率7割以上のパソコンと、2割満たない板PCの販売数を相対的に見ても意味が無いのでスルー。

 

勘違いし続けるマイクロソフトとWindows8を叩きまくるWSJ

今度はiPad miniをパクる予定との噂が出ております。そんな事は書かれていないけれど、過去のパクりっぷりからそうとしか思えない。

マイクロソフト、7インチ「Surface」のリリースを計画中?|Computerworld
http://www.computerworld.jp/topics/2618/206935

Surfaceはマイクロソフトが直接製造(させて)販売するノートPCのようなタブレットPC。アップルCEO風にいうと、中途半端な妥協の多い端末。

Windows8と同時に発売されたSurfaceは10.6型なので、おそらくiPadのパクり。そしてminiが売れていると聞き今度は7インチもパクるとの噂。

iPadユーザはApple信者やファン率が高いと思うので、それはそれで良いと思うけれど、7型板PC(GALAXY Tab)を使っている人間に言わせると、7型という大きさは本当に中途半端。

ノートとしてもタブレットとしても、キーボード入力や携帯端末として、あらゆる事で中途半端を目指しているとしか思えない。

4インチのスマホ(白ロム)、7インチの板PC、15インチのノート、23インチのデスクトップ。これらを使い感じた事は、23型デスクトップと4型スマホが有れば他は不要。全て中途半端。

ノートPCで良いなら、やはり7型は要らないでしょう。7~10型を持ってしまうと、4型と更に15型以上の端末が必要になるはず。仕事をしているならの話。

8で失敗、RTでこけて、更に中途半端の集大成。マイクロソフトはPC本体を作らせると本格的に駄目ですな。

次。

PCめぐる懸念がHPとマイクロソフトを直撃 - WSJ.com
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323556404578418260730756612.html

冒頭より概要。

パソコン業界の急激な悪化を示唆する2つの調査リポートの影響が11日、ヒューレット・パッカード(HP)とマイクロソフトに及んだ。

先に出た世界PC出荷台数14%減以外にHP(ヒューレット・パッカード)は24%減というリポートでHPの株価が下落。

HPについて、海外のアナリストいわく。

「HPとその提携先はおそらく、ウィンドウズについて楽観的過ぎたようだ」と述べ、消費者向けの販売はHPの計画を下回る公算が大きく、注文の付かないコンピューターが倉庫や小売店の棚に多く残っていると指摘した。

DELLは様子見感が有ったけれど、HPは8発売当初から7より8パソコンを全面に出しており、大丈夫なのかと心配はしなかったけれど、楽観的だったのなら納得。

パソコンというものは、美味く安い新種が次々と出る食物のようなもので、賞味期限は数ヶ月と短め。大量の在庫は不良在庫になる可能性が高く、早めに叩き売らねば完全に腐ってしまうもの。

NECや東芝などの国内メーカーはタッチパネル搭載に消極的で、それとは対称的なHPの製造や販売方針。HPが8の叩き売りを始めると、益々国内のノートPC販売にも影響しさらなる悪影響。

レノボのPC出荷台数は1‐3月期は比較的安定していた。レノボの市場シェアは拡大し、長い間1位を維持してきたHPに迫っている。

レノボは8やタッチ対応の機種を絞り、発売を簡単に延期しまくり徐々に発売していた為に比較的助かったのでしょう。中国だから何かと安く、米HPより利幅がでかいと思われる辺りも要因かも知れない。

更にWSJのターン。

注目はウィンドウズ・ブルーに―ウィンドウズ8期待外れで - WSJ.com
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323556404578417520136003436.html

冒頭より引用。

「ウィンドウズ8」がパソコンの売り上げを回復させるとの期待が薄れ、注目は既に同社が巻き返しを図るための次の取り組みに移っている。それは「ウィンドウズ・ブルー」だ。

いや、Blueは8のSP1だから。

ゴールドマン・サックスと野村証券のアナリストは11日、マイクロソフトの投資判断を引き下げ、同社株の急落に貢献した。

信用売で本気を出す時が来たようですな。私はやらないけれど。

nasdaq-microsoft-2013-04.gif

source:Microsoft Corp (MSFT.O) | 株価 | チャート | ロイター.co.jp

持っている人は今が売り時かも知れない。

 

本当にWindows 7へ移行しても良いのか?(まとめ)

現状の8は駄目、コードネームBlue(8.1との噂)も8の延長線上、とするなら現在の選択肢は7のみ。

私は既に7のDSP版を2本購入し、来年の今頃にはPC4台全て7(実験機は1つ8と7のデュアル)になっている予定では有りますが、本当に7へ移行して良いのか注意する事を今思いついただけ5つ。

OEM版Windows7の寿命はPC本体と同じ

旧Windowsから7へ移行する際、NECなどに限らずDELLやドスパラなどでパソコンを丸ごと買い換えたとしましょう。

NECなどの大手PCメーカーのWindowsはOEM版というもので、原則としてその購入したPCだけのWindowsというライセンスになり、他のPCへの流用は不可。

流用出来たとしてもライセンス違反になり、マイクロソフトがオンラインでプロダクトキーの利用を停止する可能性がございます。

7に限らないけれど、PCプリインストール版のWindowsは、そのPC本体が故障し修理しないならそのWindowsは使えなくなるという事。

ドスパラのようなDSP版(と思われる)でも、どのパーツとのセットなのか不明なのでやはりライセンス違反になる可能性大。

今から8 PCへ移行し、慣れておいた方が良いかも知れない。

Home Premiumはメモリ16GBの壁が有る

Windows7のHome Premiumは、マザーボードが対応していようと64bitだろうと認識するメモリの上限は16GB。16GBも有れば充分と思うのは2013年の今だからかも知れず。

今から7年前、Windows XP全盛期のメモリは256~512MB。NECや富士通のノートなどは128MBというPCも一般的。

当時と比較すると7年後の今、売られているPCはノートでさえ少なくて2GB、デスクトップは普通に8GB、クリエイターモデルになると16GB以上も珍しくは無くなっております。当時の約10倍以上かそれ以上。

3年、5年、7年後までメモリ最大16GBで足りるのか。

その時になり8以降へアップグレードしても良いと思うけれど、やはり今の内から8のインターフェイスに慣れた方が良いかも知れない。

ちなみにPro~へアップグレードすれば良いと思う人も居るかも知れないけれど、7が2年以内に販売終了と仮定するとアップグレードも在庫限り。有ってもプレミア価格になっているかも知れない。

もしPro~へアップグレード出来たとしても、今度はマザーボードが対応しているかも問題。マザーが16GBまでとかならやはり載らず、PC本体買い換え->8以降に移行へ、となるやも知れず。

約7年後の世界でメモリ192GBは足りるか

更に飛躍し、メモリ16GBどころか3桁GBが当たり前の時代も来るかも知れない。Windows7 Pro~以上の64bit版はメモリ最大192GB。

サーバでは最大のメモリ搭載容量がTB単位の物も有り、今後PCがよりマニアックなコンピュータになるとするなら、ソフトウェアもマニアックになりメモリ容量も求められるやも知れず。

書いていて現実味が無いけれど、10年前はHDD 1TBどころかテラバイトという単位さえ知らない人が多く、現状を予想した人は多くは無かったはず。

また、現在は多くの人が1台のローカルPCを利用しているけれど、WWW(インターネット)によるクラウド化が進まず、社内や家庭内クラウドが主流になり、1台のPC(サーバ)へ複数の低性能端末を接続する時が来たなら、そのサーバはWindows7では無くメモリも数GBでは足りなくなりましょう。

8へ移行しても同じ気がするけれど、7はより古いWindowsなので、今の内に8へ移行した方が良いかも知れない。

7年後までソフトウェアを対応してくれるか

まだ8発売から半年、7もBTOパソコンなら余裕で販売しているので実感が無いけれど、今後8が普及しシェアを伸ばし、8が80%以上で7が10%以下になったりすると、ソフトウェアやドライバのサポートを各社がしてくれるか心配。

XPの寿命が10年くらいと長かった理由は2つ有り、一つはVista発売まで約5年も空いた事。ちなみにVistaから7は約2年、7から8は3年。

更に、Vistaの無慈悲な失敗による氷河期到来で、PCメーカーへの延命措置として、偉大なるマイクロソフト様がXPの終了を延長しまくった事もXP長寿の原因。

7のサポートは終わらなくとも販売が終わればWindows市場は8(またはそれ以降)へ。販売終了やユーザの少ないバージョンはソフトウェアのサポートも終了した方が作る側も楽なので、7では今後不利になるやも知れず。

現在、XPから7へ乗り換えようとしている企業は、この辺りも考えた方が良さそう。要するに今の内から8に慣れ(略

Windowsパソコンのシェアが低下するかも

究極はこれで、本当にWindowsパソコンは今後もPC市場を独占出来るか。

国内のPCシェアは、Macは伸びず落ちず5%強、Linuxはそれ未満で、残りの9割以上がWindowsという現状。

しかし今後、8形式が標準のWindowsとなればMacや他のOSへ乗り換える人が増加するやも知れず、PC=Windowsでは無くなる可能性。

Mac(アップル)以外の新たな有力候補はGoogleで、Chrome OS以外にAndroidでもノートPCを販売するとの噂。ちなみにいずれもLinuxベース。他の企業もWindows潰しに参戦しないとは言えず。

MS-DOS時代からパソコンを見ている私には、マイクロソフトの独占が終わるとは思えないけれど、NECの暗黒時代がフッと終わったように有り得ない話では無し。

こうなると今は8でも7でも似たようなもの。今の内にMacへ乗り換える のはやめた方が良いけれど、Linuxへ乗り換える手も有りましょう。いや、無いと思うけれど。


以上。考えてもなるようにしかならず、数年後どうなっているかは消費者にも提供側にも不明。

とりあえず今のようにまだ販売している内に7 PCを推奨。但し、上で書いたような主に将来性に関する難点が出るかも知れないのは承知の上にて。

ちなみに、7の発売当初はまだ32bit版で良いと書いておりましたが、8以降に期待できず、7を2020年まで使う事になるなら64bit一択でしょうな。

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