パソコン工房(ユニットコム)より新製品。
OSがWindows8なノートパソコン、モニタサイズは11.6型と小さく、価格は約3万円と格安。Windows8が安価なセカンドPCやモバイル用として無理が有ると感じている為、これをネタに1本やらかして参ります。
パソコン工房にしては珍しく構成が下手。
パソコン工房よりWindows8ノートが約3万円で発売
プレスリリースはこちら。News2uは、掲載依頼の現行をそのまんま載せる為、パソコン工房(ユニットコム)の原稿通りと見てよろしいかと。
Windows8搭載で29,980円の激安ノートが新登場!女性でも扱いやすい11.6インチの小型サイズ!デュアルコアCPU、無線LAN搭載で充実の基本性能!|株式会社ユニットコムのニュースリリース
http://www.news2u.net/releases/106225?ref=rss
でかい画像が無い理由は間に合わなかったのか、または粗を探されたくないのかと疑ってしまったけれどそれは良いとして。
タイトルの通り約3万円は確かに激安。しかし「女性でも扱い易い」とは限らないと思う上、「充実の基本性能」も強引過ぎでしょう。
プレスリリースとは本来、宣伝では無く新製品や新技術の上品なお披露目と解釈していたけれどこれでは単なる広告。
それも良いとして、主な仕様を一覧。
- OS:Windows8 64bit版
- CPU:インテル Celeron 847(1.1GHz、2コア、2MB)
- マザー:インテル NM70 Express チップセット搭載
- グラフィック:インテルHDグラフィックス ※CPUに内蔵
- メモリ:2GBx1(DDR3 PC3-10600)※最大4GB、空スロットx0
- HDD:320GB
- モニタ:11.6インチ光沢液晶(解像度:1366x768)
- 無線LAN:IEEE802.11b/g/n準拠
- 有線LAN:1000Mbps対応
- 重量:1.3kg(バッテリ含む)
- バッテリ駆動:約4時間 ※JEITA測定
CPUは最近の安いノートで流行っているのか良く載っているCeleron847。性能は非力なもののTDP17W(省電力性)の点が安い割に良いとして採用され易いのでしょうか。
メモリ以外に弱い箇所はHDDになっており320GBと中途半端。この価格で無線b/g/n対応、ギガLANは優秀と感じております。
気になるその1はメモリ容量。2GBx1で空きスロット0は1スロット。最大4GB(にもなる)と記載が有るのでオンボードでは無さそうで一安心。
しかし気になるその2としては、液晶が光沢な点も有るけれど、11.6型とかなり小さい割に解像度が1366x768と高めな事。ソニーなど見た目が実用より優先されるメーカーでは普通に有るけれど、なぜHD解像度にしてしまったのか。理由が分かるので後ほど。
重量は軽く1kgを超え、CPUが結構な省電力にも関わらずバッテリ駆動4時間(しかもJEITA測定法)なのは安いからと納得するしか無いでしょうな。
これが7以前のWindowsならまだ良かったけれど、8だからこその難点を次で。
Windows8のノートが高額で携帯性が低下する原因
いつか書こうと思っていた難点2つが、パソコン工房の妙なモバイルノートでどちらも見られたので不自然さを指摘。
タッチパネルが高額
Windows8はマイクロソフト的にモダンUI(お触りタイル)がメインで、従来のデスクトップ画面はおまけのご様子。
あの画面(お触りタイル)はタッチ操作が前提と思うけれど、今回の新製品には当然ながら画面タッチ操作機能は無く、他社の新製品でもタッチ機能有りはかなり少なめ。
日本HPやDELLなど、自社(の下請け)製造でモニタから作るメーカーでさえタッチパネルにすると数万円高額になり、パソコン工房のように自社製造では無く仕入れるメーカーには価格面で厳しいのでしょう。
ノートサイズならタッチ操作有りのPCは無しより3~5万円くらい高額。モニタ単品も20インチを超えると3~4万円くらい乗ってしまう為、Windows8を少しでも使い易くしたいなら金を出せという流れへ。
私の知る限りでタッチパネル搭載、Windows8の最安ノートはこれ。
source:価格.com - ASUS ASUS VivoBook X202E X202E-CT3217
パソコン工房のモバイルノートよりCPU性能が高くHDD容量も多め、そして画面でのタッチ操作が可能。これで約1.6万円差は凄いと思われ、他のメーカーではタッチ操作に対応するとこのクラスの仕様なら7万円以上が普通。
パソコン工房のように約3万円などと安くする為にはタッチパネルの採用は厳しく、結局Windows7と比較されてしまい8は普及出来ない。
タッチ操作なら8は快適というレビューを引かせて貰います。
Windows8はやっぱりタッチパネルじゃないとダメ!
この製品、遠目に見ると単なるモバイルノートPCですが、タッチパネル搭載なだけで、これだけ違うかと使うたびに感心させられます。
私は未だにWindows8をタッチ操作した事は無いけれど、マウスでの操作性は最悪。特にチャームが出し難い。
8は高解像度が前提
以前、Windows Server 2012(見た目Windows8と同じ)を試した際、23型フルHDモニタではチャームを出す為のスペースが狭すぎると感想を書いておりますが、これが11.6型まで小さくなり解像度は1366x768という無茶をするとどうなるか、容易に想像出来ましょう。
フルHDでの参考画像。右下の極小な四角がそれ。
なぜ11.6型以下で有りがちな低解像度(1024x600など)にしなかったのか。その理由はWindows8だから。
何の事かは以下引用。
Windows 8を動かして気が付いたこと。Windowsストアアプリ(WinRTアプリ)は、1024×768以上の解像度を要求します。1024×600ドットではアプリは起動してくれません。Windowsストアもアプリ版IE 10も動きません。
1024x768はワイドモニタでは無く昔ながらのXGA。XGA解像度の液晶パネルを今更使うわけが無く自動的に1366x768へ。
横は1024で行けるらしいので縦サイズの問題なのでしょう。縦768以上のワイドモニタなら、自動的に横1366という。
人によるけれど、個人的に解像度1366x768で快適に作業出来るモニタサイズは14インチが限度。これ以下は小さなフォントが見づらく、画像編集時にドットをクリックしづらい。
というわけで、Windows8をまともに使おうとするなら解像度はHD。HD解像度で14インチ未満が耐えられる人がどのくらい居るか。多くは無いと思う。
時代を先取りし過ぎた8はVista失敗の再来?(まとめ)
Windows Vistaの失敗は、OSのみの動作でさえ重くストレスまみれ。しかし、現在ならメモリを大量に載せたなら7に近いくらい動くと聞いており、Vistaが今出たなら発売当時ほど駄目だと言われなかったでしょう。
Windows7ではハードウェアのスペック(PCの高性能さ)を求めず、XPと同じかそれ以上に低性能PCへ対応。
8でも7と同じく要求スペックは低いけれど、やはりハードウェアの問題有り、Vistaのように性能では無く、機能で時代を先取りし過ぎたわけですな。
採用される液晶パネルが100%に近いくらいタッチスクリーン、アップルのRetinaディスプレイ技術のような何かで小さな画面でも高解像度が実現していたなら、Windows8は2012年発売でもここまで私(達)に叩かれなかったかも知れない。
Windows8が実用的になるのは、次期Windowsが出て1~2年経った頃か。とか考えると、次期Windowsも8と同じくお触りタイルがメインになるのかと想像すると、Macに乗り換えた方が良い気もして来た。
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