ドスパラよりデザイン用パソコンが新発売。
先日はマウスより約8万円でQuadro 600を標準で搭載したPCが出ておりましたが、ドスパラは6万円。グラボ(ビデオカード)を安物なGeForceで誤魔化しているかと思いきや何と無し。CPUに内蔵のインテルHDでやるそうな。
Quadro標準搭載も有るので適当に見て参りましょう。
主にデザイン用なQuadroと、ゲームなどに使われるGeForceの違いやベンチマークは上でリンクしたマウスの記事で書いたので省略。
約6万円でXeon搭載デザイン用PC「Prime Raytrek LTx」
今回のドスパラPCで特殊な点は、CPUにCore iシリーズでは無くXeon(ジーオン)が載っている事。Xeonはサーバーやワークステーション用のCPUとされており、一般向けでは無く価格も高め。
Core iシリーズとの違いは性能に対する価格で、Xeonはコストパフォーマンスが低め。ソースは無いけれど一般的に言われている価格の違いは品質の違い。
同じCPUでもより品質の良いA級品をXeonのような業務用、B級品はCore iシリーズな一般向けと分けているらしく、インテルの昔ながらのやり方。
私が以前、自分用PCに冗談でXeon構成を見積もると、CPU2個とマザー1枚の段階で11万円となり余裕でスルーしておりました。ネタなだけで買う気は初めから無かったけれど。
今回の新製品は、インテルが新たに発売したXeon E3-1225V2。低価格なサーバーやワークステーション用として販売されており、価格コムの最安を見ると約2万円。発売直後なので安定する頃には更に下がるでしょう。
そのE3-1225V2搭載PCがこちら。
CPUが約2万円とすると他は4万円。
高性能でも安い構成なのでBTOパソコンを知らない人は不安かも知れないけれど、これが自作PCと同じ程度でNECや富士通などが高過ぎるだけ。
主な仕様を引かせてもらいましょう。
- CPU:Xeon E3-1225V2(3.20-3.60GHz、4コア/HT無、8MB)
- マザー:H77 Express搭載(マイクロATX)
- グラフィック:Intel HD Graphics P4000
- メモリ:2GB(2GBx1、PC3-12800)
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- 電源:350W 静音
- ケース:Fractal Design Core 1000(ミニタワー)
私の脳内価格コムによるパーツ最安相場によると、総額は約6万円くらい。キーボードとマウスを各千円にしているので、ゴミと考えるなら58千円。自作と同じか安くなる、量産系BTOメーカーの平常運転ですな。
個人的に気になった箇所を赤で着色。
Xeonは性能が低い割に高額という印象が有ったけれど、過去のXeon製品と比較して2万円でも高めな動作クロック。Core iシリーズならi5の上位辺りと思われ、価格は一般向けより5千円高めと言えましょう。
マザーはXeon用にメモリスロットが8本とか有るわけでも無くCPUが2個載る物でも無い、普通のH77マザーボード。グラフィック出力端子がマザーに有る用のチップセットですな。
気になるグラフィック性能は、発売直後の為か、マニアック過ぎるCPUな為か残念ながらベンチマークやマニアの評価は検索するも出ず。インテルとドスパラを信じる博打。
メモリの2GBはひどいので、最低4GBへカスタマイズ前提とするとプラス5250円で総額は約65千円と思った方がよろしいかと。
電源はグラボが無く、CPUも最大TDP77Wと高くは無く。350Wでも足りるはずなのでドスパラがケチっているものの問題は無いのでしょう。
2GBメモリと350W電源は、59,980円にしたかった、または在庫が余っているから載せてみたと推測。
この機種はカスタマイズページでマザーの下、グラフィックに選択肢は無し。
グラボ有りは別機種になっており、ユーザを混乱させない為でしょうか。
約8万円ならQuadroが追加「Prime Raytrek LTx 600」
Raytrek LTxに600が付く型番は、Quadro 600を標準搭載。
価格は約8万円。主な仕様は以下の通り。
- CPU:Xeon E3-1245V2(3.40-3.80GHz、4コア/HT対応、8MB)
- マザー:H77 Express搭載(マイクロATX)
- グラフィック:NVIDIA Quadro 600 1GB
- メモリ:4GB(2GBx2、PC3-12800)
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- 電源:350W 静音
- ケース:Fractal Design Core 1000(ミニタワー)
6万円PCと比較すると、CPU性能とメモリ容量が上がりグラボ搭載。その他は変わり無く価格は2万円高い約8万円。
CPUのBOX(パーツ単品)での価格差は約5千円。Quadro 600は約2万円。メモリの差額は千円くらいとすると26千円なので、自作より6千円くらい安く、どう見ても6万円モデルよりこちらの方が得。
CPU性能はCore iシリーズでいうi7の中程度。単品で25千円くらいなので、Xeonにしてはやはり安め。デザイン用途なら、GPU以外にCPU性能も高い方が良いに越した事は無く、やはりこちらが本命でしょう。
冒険をしたいなら6万円PC、無難に行くならこちら。電源の350Wが気になるけれど足りるのでしょうな。
マウスとドスパラの8万円デザイン用PC構成を比較
ドスパラPCと違うマウス側のパーツを引くとおおよそで以下。
- CPU:Core i5-3450(3.10-3.50GHz、4コア/HT無、6MB)
- マザー:インテル B75 Express チップセット搭載
- メモリ:8GB(4GBx2、PC3-12800 DDR3)
- 電源:500W
CPU性能はドスパラの6万円PCと同じくらいかやや下。マザーも汎用のB75で安物なものの、インターフェイスにこだわりや増設をしないならほぼ無関係。
メモリはドスパラの2倍。電源はマウス側に余裕有り500Wで搭載。大き過ぎても意味が無いけれど。
性能以外でドスパラとマウスの違いは送料と延長保証。私は延長保証を強く推奨しているので、含めて比較すると下記の通り。
- ドスパラ・・送料:無料、3年保証:9980円
- マウス・・送料:3150円、3年保証:7350円
いずれも合計1万円くらい。保証を延ばさないならマウスの方が3千円くらい高くなる為、本当に購入の為に比較するならこれらも含めて考えてみましょう。
なお、BTOパソコン=カスタマイズのイメージが有るけれど、標準構成が最も割安で、カスタマイズするほど損をするのでご注意有れ。
ドスパラ、Xeon搭載デザイン用PCを約6万円で発売(まとめ)
Xeonの新CPUが発売というニュースに乗っただけの宣伝で、何とか6万円にしたかった感が有り、本気で3Dデザインのプロを目指していたり本職でやっているならQuadro無しは無視でしょう。
しかし、私のようにフォトショップを見ても何をして良いかほぼ分からないレベルや、Open GL対応の3D処理が要らないなら無駄。かと言ってGeForceを乗せるとその分高額に。
Xeonの価値が分かる人や、何となくでも品質が良さそうな方が良いと思うなら有りかも知れませんな。品質が良い=故障し難いという事でも無く、CPUそのものは滅多に故障しないもの。オーバークロックとか無掃除主義など無茶をしないなら大して関係はございません。
8万円のQuadro搭載が最低限と思うけれど、私がもしCGやCADを学びつつ6万円PCを選ぶならこれらをやる可能性。
- メモリ8GBx2増設か8GBx4へ変更(2GBx1は保管)・・約4~7千円
- Quadro 600か2000辺りを単品購入し増設・・約2~5万円
初めからマウスかドスパラの8万円PCで良いわけですな。
私なら、ジーオンという響きな何か格好いいという理由だけでドスパラPCを選ぶかも知れない。今これを書いているPCに載っているi7-950選択も、900番台のi7は何かかっこいいという理由も有っての事。
他人の意見より自分の趣味に走ってもよろしいかと。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン