インターネット回線のスピードアップなど。
以前、ISPは2年経過後に乗り換えると得のような記事で「ハブなどを経由すると速度が落ちる」と書いておりますが本当にそうなのか実測。無線LANを含め6種類の接続方法と、3種類のLANケーブルで速度を比較して参りました。
環境は私の自宅で光回線を利用しております。
分り易く書いているつもりですが解らない所は飛ばして図だけでもどうぞ。
インターネットの利用環境や条件など
昨年末までの接続方法を簡単に図解すると。
屋内配線がモデムに繋がっており、モデムからルータ機能付きの無線親機(エアステーション)に接続。滅多に使わないノートは基本無線LANで、1本だけデスクトップ用の有線LANがサイコムPCへ繋がっておりました。
更に前は全て無線LANにしており、黒いLANケーブルさえ無しの状態。電子レンジなどで切れまくる為、しびれを切らして約2年前に有線にしております。
上図の状態では一旦無線の親機を通している為遅くなるはずですが、私は鈍感なのか体感で無線と有線の速度差を感じられず、気にせず利用しておりました。
そして本年1月、オリジナルともだち作戦(事務用デスクトップ自宅導入)により、ルータやハブを切り替えた次第。
パソコンは省略。ハブに2台繋がっております。NASも省略。
サイコム(別名:暴君Prescott)時代から変更した箇所は
- 10メートルのLANケーブルをモデムへ繋ぎ替え
- 無線LAN親機のルータ機能を切り、モデム側へ
- 無線LANは子機専用のアクセスポイントに変更
今回、実測してみようと思った理由が上の変更で、切り替えて半年経過するものの速くなったとは感じ無い為。
長々と説明した理由は、自称初心者な人がこの図を見て「うわっ」とならないよう考えた次第。今回の実験ではこのように6箇所で試します。
矢印が伸びている箇所が計測ポイント。分かり難いので一応。
- A・・モデム直結 3mケーブル
- B・・モデム直結 1mケーブル
- C・・無線LAN親機経由(接続は有線)
- D・・モデム直結 10mケーブル
- E・・ハブ経由
- F・・無線(親機まで直線約5m、モルタル壁約10cmx1)
A、B、Dはケーブル長の違い。C、Eは経由する機器有り。Fの無線はIEEE802.11g(最大54Mbps)で接続。
使用機器や仕様。
- 回線:NTTフレッツ光100M
- モデム:Aterm
- 無線親機:WBR-G54
- ハブ:PetitSwitch(5ポート、100BASE)
- PC:フロンティアのネットブック
ここからの計測結果は私の環境で有り他の環境でも同様とは言えず。公称初心者の方が鵜呑みされ暴れられても困る為、モデムやISPの詳細は控えます。
無線の親機は2003年発売のIEEE802.11b/g対応という古い物。ハブは更に古く、今調べると何と11年物(via:PC Watch)。
計測に利用したサイトはこちら。若干アダルト広告有り御注意有れ。
BNR スピードテスト(回線速度/通信速度 測定ページ)
http://www.musen-lan.com/speed/
ローカル接続の種類で速度を比較
計測結果はテキストで良かったものの、いつもの癖で画像を取ってしまった為、そのまんま貼り付けます。
関係するかも知れないので一応注意書くと、キャプチャの画像の時刻は嘘で12時間遅れております。午前11時なら23時と脳内変換を。
もう一度全体図。
BNRの推定転送速度を基準にAから参ります。
A・・モデム直結 3mケーブル
屋外からの配線が短く、他の干渉が少ない配線。
これが最速で、私の環境では約75Mbpsとなりました。ここからの計測は全て5回以上やっており、この計測Aでは最高83Mbps(WebARENA1)出ましたが中央値という事で上の通り。
WebARENA1と2の違いを調べるも判らず、接続先のサーバーが違うという解釈にしております。
B・・モデム直結 1mケーブル
気になったのでケーブルを変更しモデム直結。約34Mbpsに低下。
大幅に速度が低下しており、ケーブルの種類によりこういう事が有るとして。長さ以外にフラットか、丸い普通のケーブルかという違いも有りますが、フラット(平たい)の方が優れているとは思えないので無関係でしょう。
C・・無線LAN親機経由(接続は有線)
Bの遅いケーブルに繋がっていた無線LANの親機経由。
更に速度は低下し約22Mbpsへ。実はこの「C」を最初に測った為、やはり駄メルコ(Buffaloの蔑称)かと勝手に妄想しておりました。速度低下はケーブルが原因。しかし、モデム直結と比較し遅くなっており、無線LAN親機経由が無関係とは言えないでしょう。
D・・モデム直結 10mケーブル
モデムから10m伸ばしている有線LANを直結。
約68Mbpsと低下はしているものの、長さによる減衰は個人的な想像より低めとなっております。ケーブルは全てカテゴリ5、しかし物はもちろんメーカーも違います。
E・・ハブ経由
10mのケーブルでハブを経由すると約48Mbps。
ハブ経由では結果にばらつきが有り過ぎ8回計測。昔のハブなので不安定という事にしましょうか。私が現在これを書いているパソコンはこの速度という事になります。
F・・無線(親機まで直線約5m、モルタル壁約10cmx1)
ラストは無線LANで約23Mbps。
ここで気になる事はCの結果で、直結しても約22Mbpsで有った事。バッファローの無線LAN親機が遅いというよりケーブルの影響を受けていると思われます。ケーブル変更して再計測は面倒なのでやりません。802.11gは理論値で最高54Mbpsの為、上の速度でも結構速い方かと。
ローカル接続の種類で速度を比較、一旦まとめ
- ケーブルは物により速度が変わる(事も有る)
- 無線LANは親機のケーブルに気を遣うべし
- モデム直結が最速、中継すると速度は低下
個人的には結構良い実験結果になったと自負しておりますが、私の体感では分からない為、結構どうでも良いです。
Windows XPでADSLと光回線の速度を上げる方法
簡単かと言えばそうでも無いかも知れない、しかし速度テストさせてもらったBNRのサイトで詳しく分り易い説明が有る為、おそらく読めば出来ます。
速度向上の裏技 - ブロードバンドスピードテスト
http://www.bspeedtest.jp/speedup.html
Vista以降は無関係。XPまではRWinという値が65535に固定されており、それを無料ツールで変更するという話。
私もXPなので試して見たものの、元から結構速い為か微妙過ぎて変化が判らず。関西(兵庫県)に住んでいる知人に頼み実験してもらいました。回線はNTTフレッツ光100Mマンション、ISPは先と同様に控えます。
RWin値を変更していない環境での速度テスト結果。
------ BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver4.1001
測定日時: 2011/06/11 01:54:21
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 12.51Mbps (1.56MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 12.51Mbps (1.56MB/sec)
推定転送速度: 12.51Mbps (1.56MB/sec)
値を131070に変更し、BNRの指示通りに設定を変更後。
------ BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver4.1001
測定日時: 2011/06/11 01:57:26
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 25.03Mbps (3.13MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 45.75Mbps (5.72MB/sec)
推定転送速度: 45.75Mbps (5.72MB/sec)
速度が2倍以上になっております。
必ず速度が上がるとは限らず、フリーソフトの類は自己責任が基本。自信が無かったり心配ならやめておきましょう。
速度を上げる為にISP変更した成功例
ISP(インターネット~プロバイダ)の変更は、私の場合は月額を抑える為としておりましたが、現状の速度が遅く向上する目的で変更された例。
ネグロックの補助脳 ネットが遅い・・・から回線業者変えてみた
http://neglock.blog66.fc2.com/blog-entry-164.html
一つ前の記事によるとNTTの光で24~36Mbps程度。乗り換え、契約を変更した後の速度を引かせてもらいます。
測定日時: 2011/06/04 19:35:52
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 82.23Mbps (10.27MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 76.20Mbps (9.52MB/sec)
推定転送速度: 82.23Mbps (10.27MB/sec)
元が24~36Mbpsと有り普通かやや遅め。ISPの変更は博打では有りますが、これより下がらないだろうという確率として速度の向上に成功という例。下がる可能性はもちろん有ります。
ルータの話が面白かった為、ネットワークマニはリンク先の元記事をどうぞ。ちなみにネグロックさんのPC変態レベルは次元が違うので、知らなかったなら別の記事もお勧め。
回線速度の向上と比較まとめ
私が過去記事でも何度か「体感で速度差が判らない」と書いていますが、例として無線の4Mbpsと有線の10Mbpsなら判るレベル。10Mbpsを超えると判らない。
小さなファイルのダウンロードやWebブラウザでページを表示する程度なら判らないだけで、以下の用途なら体感出来るかも知れません。
- 数百MB以上のファイルを頻繁にダウンロード
- 高画質な動画のストリーミング再生
- 高解像度なWebカメラで対話
私の場合は1を毎朝、3を週2程度利用しておりますが、ダウンロード中は別の事をしており、高画質でSkypeを使おうと思った事が無い為、やはり速度が遅いと感られず。
今回の提案は、ローカルネットワークを見直す事で回線の速度を向上させるという事で、私の環境を例に速度を比較。
繰り返し、内側で速度に関わる事は。
- ケーブルの種類や質
- 中継している機器
- モデムからの距離
私が使用しているLANケーブルは全てカテゴリー5という種類で、転送速度は最大100Mbps。更に高速な5eや6も有りますが、コストパフォーマンスを考えCAT5で統一して参りました。
中継している機器は今回の実験の通り、増えるほど速度は落ちるものとして、可能な限り余計な物を使わない。距離はケーブルと機器によりましょう。
外側(モデムから屋内、屋外配線)で速度に関わる事は。
- プロバイダの回線品質や基地局までの距離
- プランなど接続のタイプ
- 地域による差
ADSLなら特に距離が重要、光回線もベストエフォートという速度の向上には努めるけれど品質は保証しない、最高このくらい出るはずという曖昧な状態なので、100Mbpsなどの表記は最大値として。
同じNTTの光でも戸建てとマンションで実際の速度が変わる事は普通に有り、共有している回線で利用数が多くなると遅くなる、マンションはFTTHを引いた先にVDSL(メタル回線)で分配する為などの違い有り。
ではどこのISPが良いかという話になりそうですが、地域による差が大きく、同じISPでも同都道府県どころか同市区町村内で違う事も有り、どのISPが速いかは実際に契約しなければ不明。
堅実にローカル見直し、速度追求なら博打という話でした。
>LANケーブルは全てカテゴリー5という種類で、転送速度は最大100Mbps
NASの内部ネットワークもカテ5で使用?
interfaceがgigaならそれはさすがにボトルネックなのでは?
>更に高速な5eや6も有りますが、コストパフォーマンスを考えCAT5で統一
ほれ、カテ6でも安価ですぞw
http://cable-ichiba.com/user_data/category_lan.php
300M買って必要な分切ってケーブル自作が正義w
http://www002.upp.so-net.ne.jp/jsrc/densi/cable.html
道具はテスタと圧着工具とプラグとで5Kくらいで揃いますよw
一般的にはケーブルが規格上の上限を満たしているのであれば、もっとも速度に影響が大きいのはケーブルよりもルーター自身のスループット性能でしょうね。
直結に限りなく近い値を出せるのが優勝なルーターという見方です。
何処とはいませんが3Kくらいの価格帯だとほんとにヒドイのありますのでw
この辺のルーター乗り換えレビューを見ているとよくわかります。
http://review.kakaku.com/review/00750910281/
ってか、直結よりも早くなるっていうじゃないw
流石に個人でCiscoだのJuniperだのExtremeだの買いだしたらアレですがw
そこまでいかないまでもYAMAHAとかMICRO RESEARCHあたりの家庭用としては高価なルーターを買う方はスループット品質を気にしてのことなのでしょう。
>道具はテスタと圧着工具とプラグとで5Kくらいで揃いますよw
圧着工具の安いヤツは、ケーブルを引っ張るとびろーんて伸びたりして嬉しくないけど、自宅で使う場合には問題ないかな。
会社でのケーブルの扱いは雑だから、耐久性も結構だいじ。
10年以上前、会社のネットワークを自分で引いてた頃は、休日出勤して一日中ケーブル作成と配線、ハブの設置とかやってたりしましたが、今となってはいい思い出です。いや、ウソです。少しトラウマかも。
一日に200本とかケーブルつくったりして、自腹で買った安い圧着工具が壊れたので、会社の経費で高級品を買ってみたらさすがに丈夫で、いまだに使ってます...て言っても、最近はケーブル作りは業者にほとんどやらせるし、自宅で使うのは普通に電気屋で買ってますが。
ちなみに最近使っているのはエレコムのやわらかカテ6ケーブルですが、これを自分で加工するとなるとちと厄介だし、値段も昔ほど高くはないので。
私宅のLAN環境は
光回線終端装置
↓
ブロードバンドルータ(ハブ機能有)
↓
LANケーブル(カテゴリ7品)→無線LANルータ
↓
PC
という形ですね。無線LANルータはアクセスポイントとして、PSPで使用
>BNRスピードテスト
PSP環境で試したら、下り推定転送速度:2.24Mbps(279.67KB/sec)と出ました。ウェブサイト閲覧は鈍足スローモーなためキロバイトレベルかと思っていましたが、意外と速いです
>ADSLと光回線の速度を上げる方法
いつぞやはジャンボフレームが持て囃された時期もありましたが、XPでも7でも、私の環境では有効にしたところで全く速度は上がりませんでしたね
※ジャンボフレーム
送受信されるデータの分割数を減らし、1サイズを増やす機能。分割するデータのサイズはある程度の変更が可能だが、LAN接続に介するルータやハブがひとつでも未対応だと無効になる
>速度を上げる為にISP変更
なんと、ネグロックさんが使用されているルータは私と同型ですね。私のISPもauで誰得プランですから、当たり前といえば当たり前ですが(私機の型番は「BL190HW」)
Yahoo!BB→Toppa!→au one net、とプロバイダは変更してきましたが、ルータに注目したことは有りませんでしたね。LANコネクタが1つ→2つ→4つ、と増えたのが面白い、と思うくらいで
>2.高画質な動画のストリーミング再生
サイトの混雑時だと、e-モバイルだろうがギガビットだろうが、回線速度は同程度まで低下するのですよね。実際のところ、速度が低下しづらい有料会員プランを用意した動画サイトなら、登録してしまった方が有利な事が多いです。私はひとつも登録しませんが
ADSL時代のブロードバンドルータは、ノイズが溜まるという不思議現象で通信速度が低下したり、接続が切れたりしたそうですね。私のYahoo!BB環境では、5年間ほど稼働し続けてノートラブルでしたが
あ、カテゴリ7ケーブル(10ギガビット対応)は購入しなくて良いですが、興味があるなら購入されると面白いですよ。全く、変化が、なくて
なんでそんなに早いの…。
1.NTTPC(WebARENA)1: 1.17Mbps (146.45KB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 918.65Kbps (114.44KB/sec)
推定転送速度: 1.17Mbps (146.45KB/sec)