パソコン工房、秋冬の弾幕その4くらい。
50万円以上のゲームPCも一応数に入れるとして、SSD標準搭載のBTOパソコン、激安ノートLesanceに続き、今回も特徴的な高性能PCを新発売。価格は約13万円と安くはないけれど、個人的に唸る標準仕様となっているので勝手に評価。
買えとかお勧めと言っているわけでは無いので勘違い無きよう。
パソコン工房「MD7100iCi7G TYPE-LMT2」の価格と性能
正式名称は接頭にAmphis BTOが付くパソコン工房のデスクトップシリーズ。MD7100~の仕様の前に、同じくパソコン工房の54万円くらいする超高級&高性能PCの構成を一覧。
- OS:Windows 7 Ultimate 64bit
- CPU:Core i7-3960X EE(3.3GHz/TB最大3.9GHz、6C/12T、15MB)
- メモリ:16GB
- マザー:Intel X79 Expressチップセット(GIGABYTE G1.Assassin2)
- グラボ:GeForce GTX 590(3GB)x2 SLI構成
- ストレージ:Intel 510シリーズ 250GB×2(RAID0) + HDD 3TB
- 光学:ブルーレイ
- 電源:1350W 80PLUS GOLD
2011年末現在で最高性能とも言える内容。安く見ても、CPU8万、マザー4万、グラボ2枚で14万円、ストレージまとめて10万円のようなセレブ仕様。いずれか単体でデスクトップ1台買えそうな勢い。
更に上がる余地が有る箇所は、メモリを16GB超え、HDDを4TBでもう1本くらい、電源を1350W以上など言い始めると終わらないけれど、無駄も多くなりましょう。普通の人には使い切れないオーバースペック。
では本題のMD7100略の構成と価格。PC Watchを参考。
【PC Watch】 パソコン工房、メモリ16GBとSSD+HDD搭載デスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111209_497046.html
主な構成を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit(DSP版)
- CPU:Core i7 2600(3.4GHz/TB最大3.8GHz、4コア/8スレ、8MB)
- マザー:P67 Express チップセット(MSI P67A-S40)
- SSD: 120GB(インテル320シリーズ)
- HDD:1TB(速度不明) ※期間限定:3TB(SATA2)
- メモリ:DDR3 1333 4GBx4枚(計16GB)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- グラボ:GeForce GTX 570 1280MB
- 電源:600W 80PLUS
価格は期間限定で125千円となっておりますが元は約13万円。
50台売れるとHDDは1TBに下がるようでは有りますが、気になる事は1TB側の速度が書かれていない事。
意図的なものか、そこまで見ないだろうと予想した省略か。意図的とは1TBがSATA3の可能性を指しております。HDDでSATA3はベンチマーク用や気分的な何かに近いけれど。
これを約54万円の構成と比較すると、最高性能がいかに趣味であるかが分り易いかと思った次第。パソコン工房側も54万円PCは宣伝用の看板機種と思われ、本気で売る気は無い短期間の販売品。
というわけで、今回発売の13万円PCが上手いと思う特徴と、タイトルに書いたようにBTOメーカーらしいとはどういう意味かを何となく解説して参ります。
BTOパソコンは標準構成が割安、自作PCとは考え方が違う
BTOパソコンと言えばカスタマイズで、パーツを自由に選択し自分に合った性能になる、とはどこのメーカーのコピーが忘れたけれど、私に言わせるとBTOパソコンは標準構成のコストパフォーマンスが大変良く、カスタマイズするほど高く付く。
サイコムやショップブランドでは一概に言えないけれど、量産系のBTOメーカーはカスタマイズでも利益を出している、または最も売れるパーツは大量購入で安く入り、それ以外は管理費などが割高になり消費者持ちになるとでもいいましょうか。
その面で、今回のパソコン工房の13万円な標準構成が上手いと感じております。カスタマイズしなくともほぼ全部載っているという事。
上で書いた一覧に着色。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit(DSP版)・・12千円
- CPU:Core i7 2600(3.4GHz~3.8GHz、4C/8T、8MB)・・23千円
- マザー:P67 Express チップセット(MSI P67A-S40)・・7千円
- SSD: 120GB(インテル320シリーズ)・・16千円
- HDD:1TB(速度不明) ※期間限定:3TB(SATA2) ・・9千円※1TB
- メモリ:DDR3 1333 4GBx4枚(計16GB)・・5千円
- DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
- グラボ:GeForce GTX 570 1280MB・・27千円
- 電源:600W 80PLUS・・6千円
赤は個人的に盛って有ると感じる箇所。青は自作PCユーザが寒いと思っていると想像するパーツとしております。
4つの赤を上から行くと、SSD搭載の構成なら標準ではHDDを増設しておらず、例外としてマウスコンピューターがZ68チップセットのSRT機能な高級機でやっている程度。しかしこれは標準構成で既にSSDの120GBとHDD1TB(以上)が搭載。
メモリ価格は暴落中で、市販4GBx2枚が2千円台なので16GBにしても仕入で考えると差額は2千円を切るくらいでしょう。しかしカスタマイズ誘導のBTOパソコンでは標準2GBx2や4GBx2が多め。ちなみに、標準16GBはWin7 Home~が認識する限界な打ち止め容量。
価格が跳ね上がっている原因はグラフィックボードで、価格コム最安を見ると玄人志向で約27千円、MSIで28千円、ASUSが30千円くらい。性能はPassMark(リンク先はグラボのハイエンド)が全てでは無いけれど、こちらを参考にすると上から2番目。
では青文字、自作PCユーザが寒がると思われる箇所2つ。
- CPUにCore i7 2600・・なぜK付や2700Kにしないのか(価格差数千円)
- チップセットがP67~・・なぜ今更P67なのか。SSD+HDDならZ68だろう
CPUとマザーの差額を合わせても価格差は数千円。SSDキャッシュやオーバークロックも可能な方が上位互換と言えましょう。
しかし、この理由をBTOメーカー視点で考えると。
- 単純に数千円安く(または増益)が目的
- CPU(2600)やマザー(P67)の在庫が大量
- オーバークロックするユーザが買わない前提
- SRTにされてもサポート出来ない(しない)前提
というわけでBTOパソコンとしては問題無く、気に入らないなら自作パソコンをどうぞという事。
標準構成で高性能、ゲーム用なら最適かつ割安と思ったものの、残念ながらこの機種は自作より安くならない。2011年末現在の価格コム最安を参考に右へ付け足し。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit(DSP版)・・12千円
- CPU:Core i7 2600(3.4GHz~3.8GHz、4C/8T、8MB)・・23千円
- マザー:P67 Express チップセット(MSI P67A-S40)・・7千円
- SSD:120GB(インテル320シリーズ)・・16千円
- HDD:1TB(速度不明) ※期間限定:3TB(SATA2) ・・9千円※1TB
- メモリ:DDR3 1333 4GBx4枚(計16GB)・・5千円
- DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
- グラボ:GeForce GTX 570 1280MB・・27千円
- 電源:600W 80PLUS・・6千円
- ケース:ミドルタワー(IW-PE663)・・6千円
総額は約113千円。ケースを追加しInWinの相場より適当に値付。
13万円との差額は17千円となり、自作PCより(量産系)BTOパソコンの方が安いといういつもの話にはならず。
50台限定価格で脳内見積もりし直すと、HDDの3TB(SATA3)は現在高騰中で13千円くらい。市販パーツ側が4千円高くなるので総額は約117千円。PC工房側は13万円から5千円値引で125千円となり、それでも差額は8千円。
標準構成としては上手いと思うけれど、自作PCとの比較用に皮算用してみると、BTOパソコンの標準構成は割安という良さが無し。何か見落としているなら失礼。
HDDはキャンペーン終了で容量が下がる為、3TBと同じSATA2なら50台完売記念キャンペーンなどと称して更に安くして欲しい所。
オーバースペックで購入するという考え方(まとめ)
特にゲームPCの場合、質問や相談掲示板で良く有る内容が「用途から見るにオーバースペック」という回答。
確かに、無駄に高すぎる性能や使わない機能が多いなら答えとして手本と言えるものの、パソコンは進化が激しく、購入ユーザの環境や数年後を考えているかが問題。
私がパソコンを買い替える際は必ずオーバースペック気味にしており、グラボを挿せば精細な3Dゲームも動くようにしております。
この考えで行くとパソコン工房の13万円PCは悪くは無い選択。今回は自作より高く付くものの、自作PCは組立以外に故障の際は不具合箇所の特定もセルフサービス。保証はパーツ単品となり送料や修理期間を考慮するとメモリや電源は予備が要るか捨てるレベルに。
話を戻し、オーバースペックの利点は。
- 性能を高くしておく事で将来性にやや安心
- 高めな性能を求める用途が発生した時も安心
- 未来のソフトウェアで処理速度が落ちる率が低そう
難点も挙げると。
- 次回の買い替えまで使わない機能や性能が完全に無駄
- 故障した際、パーツにより修理費用がやたらと高くなる
- CPUとグラボが高性能になると発熱量が高く爆音化
高い冷却性能を要すると、それだけファンが増えヒートシンクが大きくなったりするもので、クリーニングしなければ故障率が上がるやも知れず。
話を更に戻し、パソコン工房の13万円PCで無駄になりそうな箇所はグラボ性能とメモリ容量で、ゲームなどのようにGPU性能やVRAM(ビデオメモリ)容量が必要無ければほぼ役に立たないパーツと言え、メモリ容量もハードウェアが先行して増えているだけで現状16GBで快適になるソフトウェア単体は見当たらず。
簡単にいうと、高性能CPUとグラボ、大容量メモリとHDD、そして高速なSSDが載っているパソコンが長期間使える条件となり、パソコン工房の13万円PCが私には見本に見えるという。
予算は13万円以上有るけれど、何を選ぶと良いか全く判らないなら有りかも知れません。無しかも知れません。
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