爆速ながら高熱になるSSDについて。
NVMe対応SSDは従来のSATA接続ではなくPCI-Express(以下、PCIe)接続での転送となり、理由は知らないけれどSSDながら高熱になるらしく、対策用のサーマルパッドまで発売される始末。
まずはその冷却シートから見て参りましょう。
NVMe対応SSDの発熱問題対策を考える
2017年2月20日の記事。
M.2 SSD用冷却アイテムがイベントで公開 - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1045070.html
M.2用SSDの表裏どちらにも対応したシートで価格は千円を超えるものの、高価なNVMe対応SSDの冷却気休めには良さそうな品。
製造はシルバーストーン、発売はマスタードシードが3月らしいと言いたかったのだけれども、 ディラックがフライングセール。※マスタードシードとディラック、どちらも国内のパーツ代理店。
M.2 SSDの熱をマザーに逃がす冷却パッドが発売 - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1046336.html
本当に冷えるのかはマスタードシードの画像、またはシルバーストーンの公式を見ると判るかも知れない。本当はどうかはさておき。
SilverStone Technology Co., Ltd.製品紹介:TP01-M2
http://www.silverstonetek.com/product.php?pid=735&area=jp
ヒートシンクという手もある
以前もネタにした、こちらの検証が参考になる。
エルミタージュ秋葉原 – NVMe SSD発熱問題の解決策
http://www.gdm.or.jp/review/2016/1105/183443
価格コムやAmazonのNVMe SSDのレビューを見ていると、おそらく自作PCユーザであろう人々はこぞってヒートシンクを取り付けているようで、現在のジャパニーズスタンダードな印象。
サーマルシートのマザーボード側に設置する方は、マザー側の設計により熱を基板へ伝えてはいけない構造もあるはずなので、SSDにこれを背負わせる方法が一般的かつ安全そう。
リバースアンダーフローの出番か?
私のメインPCでの変態仕様が実用的になりそうな予感。
source:自作PCでこだわりの裏配線をする方法とコツと心構え - BTOパソコン.jp
「いや、ならないだろ」と思ったなら私も思った。
しかし良く見て欲しい。上の画像のCPUクーラーのファンは吸気、CPUが冷えにくいのは承知として、逆に熱風の温度が低くなるならば真下にヒートシンク背負ったSSDがあるとしたなら間接的にファンによる冷却効果が期待可能。
図にするとこう。
source:自作パソコンのケースファンを付け替えエアフローを変更 - BTOパソコン.jp
ケース側の吸排気まで変える必要は無い。
この状態で真下にヒートシンク載せSSDがあるならば、グラボはもっと下のPCIeスロットを使えば良く、画期的だと思うので、サイドフロークーラー搭載でNVMeなSSD使用するならご検討。
私としては、まだNVMe対応品は手を出せる価格では無いのでスルー。いずれはM.2にヒートシンク載せSSDを搭載し、CPUクーラーにファンを付けて温度を比較したい。
超高速の意味はあるか?
個人的には無い、SATA接続のSSDと体感で差は無いだろうと予想した理由は過去にも書いており、HDDのみの頃は少しでもストレージの速度を上げる為にRAMディスクという、メインメモリをドライブに見立てるソフトを使用。
しかしSSDにしてからはRAMディスクを廃止。なぜかはRAMディスクで速度6,000MB/s出ようとSSDの600MB/sとの違いが体感で判らなかった為。
しかしそうでもなさそうな意見がAmazonでちらほらと。
体感で申し訳ないですが、Win8.1Proのインストールをしたところ、訳わからないぐらい直ぐ終わりました。本当にインストールできたのだろうか不安になるぐらい早いです。比較の対象は、現在使用しているR/Wが550MB/SのSSDですが、円盤HDDからSSDに乗り換えた時より驚きました。
source:Amazon.co.jp: Samsung SSD 512GB 950 PRO MZ-V5P512B/IT
マジかよその2。
リード、ライトは公称値より若干早く通常のSSDとは比べ物にならない性能です。
その3。
これだったら RAM DISKより早いんじゃ無いか?と思って RAM DISKの測定をしてみましたら、RAM DISKには追い付いていませんでした(そりゃそうか)。
らしいので、数値見て適当な文章を書いている私よりは信頼性高そうなレビューだと思った。
なぜNVMeでは発熱するのか?
冒頭で書いた通り不明。調べても原因が書かれているページ無し。
source:インテル SSD 750 シリーズ:解き放たれた性能
画像はPCIeスロットへ直挿しするSSD。銀色のケース部分がヒートシンクの役割もしているならば、単純にPCIe接続イコール発熱すると考えて良さそう。
SSDは冷却しなければ故障する?
すると思う。HDDは温度では無く湿度で故障率が上がるというデータがあったけれどSSDはまだ無い。
しかしNANDフラッシュとは言えどもメモリでありチップを搭載しているのだからRAMと似たようなもの、とするならば、メモリは高熱が続くと故障率は上がるはず。
聞いた話でしかないものの、昔々、ノートパソコンがまだ10万円以上していた頃に20万円を余裕で超えるデスクノートという変態ノートが存在しており、ノートと言いながら重量は余裕の3kg超え、クソでかいファン搭載でデスクトップ用Pentium 4を載せてメモリがベリーホットになる狂った設計。
まず故障するパーツはマザーボード。当時はコンデンサが全部液体なのでそりゃ破裂するわ状態、その次に故障しやすかったパーツがメモリという話。
HDDよりダントツにメモリの方が故障率高かった、それ以上にマザーボードだったと聞いていたので、時代は違えども発熱するNVMeなSSDもほぼ発熱とか無いSATA接続よりは危ないと思う。
半導体にとって高熱は大敵なので(寿命が縮むスピードが上がってしまう)
BTOなど完成品PCの発熱問題はどうすれば良いか?
BTO、しかも量産系メーカーのマウスなどでもNVMe対応SSDを標準で搭載した高性能PCは販売されております。
しかしメーカーが自作PC変態の御用達なアイネックスのヒートシンクやサーマルパッドなどを付けるとは思えず、熱対策をしているとは思えない。
その理由は2つで、BTOとは言えどもメーカーのパソコンなので生産時にパートのおばちゃんによりヒートシンクなどの取り付け方が違い品質が変化してはならないと思われる為。
もう1つは、発熱前提でサムスンやプレクスターが完成品として製品化した物に対し、ヒートシンク搭載前提のCPUではないのだから素の状態でも問題は無いと考えていそうな為。
ところがSSDは製品として完成していようと問題は中身のデータ。
メーカー側はユーザのデータには触れない、あくまでハードウェアとしてしか見ていないので故障率が高いなら対策するだろうけれども、データが消えたりファイル壊れても無関係、無関心。
ではどうすれば良いかは、そのまんま使えばよろしいかと。要するに無改造、ヒートシンクやサーマルパッドなど取り付けず素の状態にて。
なぜそれで良いかはバックアップしておけば良いだけで、標準の保証期間1年以内に故障するようならPCメーカーかSSD製造元に問題あり。1年過ぎて故障したなら運が悪かったと考えるべき。
しかしどうしても発熱が気になるならば、メーカー修理依頼時は完全に元の素の状態へと戻せるようにヒートシンクなど取り付けを。見た目無改造の状態に戻せば、ヒートシンク付けていたとバレなければOK。
また、これは個人的な感覚ではあるものの、M.2のSSD以外の故障で修理依頼時にユーザがM.2 SSDにヒートシンクを付けていたなら修理担当者はどう思うか?人によるだろうけれども私ならば見なかった事にする。
冷却性上げようと勝手にCPUクーラーを交換していたなら改造としてアウト、修理お断りレベル。しかしPCケース内にホコリが入らないよう勝手ながらファン用のフィルタを取り付けていたならスルー。
違いは改造なのか、それともパソコンを長く使いたいが為にユーザが考えた結果なのかであり、自社製品を大切に扱ってくれている気遣いなのか本物の自分勝手な改造なのかという判断もされる可能性。
ヒートシンクを外せない、外しても跡が残るような改造がなぜ駄目かは、PCメーカーは自社でパーツを修理しているわけでは無いので、SSD製造元や国内代理店へ修理交換を依頼するので、そこで断られてしまうと交換不能にて捨てるしか無くなってしまう。
これはSSDに限らず全部同じ。物理的に破損したり故意に汚されたパーツは製造元に修理交換を断られるので、特に古めなパーツは交換不能となり、保守(修理用)在庫が減ってしまう、イコール修理不能扱いされる可能性。
というわけで、NVMe対応SSDの発熱が気になるならばきれいにはがせる両面テープとか、外せば良いだけのサーマルパッドなら、パーツを壊さずに取り付け出来るなら、どうぞな感じ。
完成品PCは文字通り完成しているのだから、基本的に素の状態で使う事をおすすめ。気になるならSATA接続へランクを落とすか、低発熱NVMe SSDが出るまで待ちましょう。
>SSDながら高熱になるらしく
だいたい70度くらいで性能低下、いわゆるサーマルスロットリングに陥るらしいですから、より高速なモデルほど冷却が重要になりそうですね。せっかく読み書きが速くとも、発熱で性能が落ちていたら高い金を出した意味なし。
>なぜNVMeでは発熱するのか?
私も原因は知らず。SATA接続のSSDは5V、PCI-E接続のSSDは3.3Vで動きますから、アンペア数がPCI-Eの方が大きくなる、とはいえ、理論的にはワット数で発熱量が決まる訳ですから、それが原因とは思えず。ただSATA接続のSSDは、大抵が3W前後の消費電力に対し、PCI-EのSSDは5~6Wのモデルが多いですね。