ドスパラよりウルトラブックの新製品。
国内BTOメーカーで私が知る限りではパソコン工房(ユニットコム)に続く2種類目。ユニットコムは約6万円なので2万円高価なものの、新CPUや3ドライブ搭載など機能や性能が高め。適当に見て参りましょう。
PC初心者用に解説しつつ、ユニットコムのウルトラブックとも比較。
Ivy Bridge搭載ウルトラブックの条件は更に厳しい
以前やったウルトラブック9種類の比較でも引かせて貰った、ウルトラブックの定義をWikipediaより。
今回のドスパラ ウルトラブックは新CPU、Ivy Bridgeなので条件が追加。推奨条件(有った方が良い)は省略。
- CPU:Sandy Bridge、Ivy Bridge、Haswell、のCore iシリーズ
- 高さ:14型以上=21mm以下、14型未満=18mm以下
- バッテリ駆動:5時間以上
- I/O:Wi-Fi必須(Ivy Bridge以降は更にUSB3.0対応必須)
- 機能:休止状態から7秒以内に復帰
- その他:Ivy Bridge以降はSmart Connect Technology搭載
USB3.0はIvy Bridge用チップセット(インテル7シリーズ)からは普通に対応している為、端子の中が青くなるだけ。
SCTは、スリープ状態でもメールやアップデートなどする機能。Sandy Bridgeの頃から存在はしていたけれど、Ivy~搭載ウルトラブックなら標準でやれ、と。
ウルトラブックはインテルの登録商標で、上記のような一定の条件を満たしたノートにだけ使う事が出来る名称。
ドスパラのウルトラブックも当然対応しております。
3ドライブ搭載「Prime Note Altair F-5E」は約8万円から
約9万円の機種も有るけれど、CPU以外同じなので安い方を見て参りましょう。
しつこいけれどCPU以外は同じ、見た目も同様。下位機種は79,980円。
主な仕様を引かせてもらいます。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:インテル Core i5-3317U(1.7-2.4GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテルHDグラフィックス4000(CPUに内蔵)
- マザー:モバイル インテル HM76 Expressチップセット搭載
- メモリ:8GBx1(PC3-12800)※空きスロットx0
- SSD:64GB
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- モニタ:14型液晶(解像度:1366 x768)※非光沢
- その他:1000BASE-T、IEEE802.11 b/g/n、USB3.0x2 など
- 重量:約1.7 kg(バッテリ含む)
- 厚み:21mm(高さ)
- バッテリ駆動:約5.3時間
表記ミスかと3度見したドライブはどう見ても3つ。
その他で珍しい箇所はCPUにUが付いており、Core i5でも2コアでハイパースレッディング対応の最高4スレッド処理可能となっております。
グラフィック機能は第二世代Core iシリーズ(Sandy Bridge)より比較的高性能になっているらしく、デスクトップ版Ivy Bridgeのような欠陥構造でも無し。ノート用CPUはヒートスプレッダ(金属のカバー)が無い為。
もう一つウルトラブックにしては珍しい箇所がメモリ標準8GB。薄型化した代償か1枚のみでは有るものの、メモリ価格は以前下がりっぱなしでノート用(SODIMM)の8GBx1枚でもそう高額でも無いのでしょう。
苦しいと思う所はSSD容量が少なく、DVDドライブやHDD搭載の為かバッテリ駆動が短めで重量が盛られ気味。HDDはSSDより消費電力が高く、DVDドライブはスピンアップ(回転し始め)が高め。JEITA測定なのでそこまで測っていないとは思うけれど。
これで良く厚さ2.1cmに納めたなと関心。
SSD 64GB、HDD 500GB、DVDドライブ搭載の利点
難点は重かったりSSD容量が少ないなど上で書いたので利点。
ウルトラブックの条件の一つにハイバネーション(休止状態)から7秒で戻って来いという条件が有り、それにはHDDでは間に合わず、ウルトラブックを名乗るノートはほぼSSD。
SSD容量64GBはどう見ても少なく、普通にデジカメ画像を整理し続けるだけで容量いっぱいになってしまいそうなものの、そこはHDDの大容量でカバー。
SSDが64GBでも速度を生かせるものは
- Windowsの起動が速い
- 一時ファイルなどCドライブ標準なのでWebブラウザなど高速
- 仮想メモリもCドライブになるはずなので高速
- インストールしたプログラムファイルの起動も速い
このようにシステムに関連したり、Cドライブが標準になる動作はSSDなので高速。逆にHDDにデータを保存する難点は
- HDDへのコピーや移動などが低速に
- 巨大ファイルのエンコードをHDDでやるなら低速
など、HDDが絡むとSSDの足を引くのでSSDの高速性は生かせず。
やはり用途次第、使う人により変わると思うけれど、インターネットやメール程度の良く有る使い方ならSSDの恩恵は充分受けられるかと。HDD容量は予備として。
良く分らない物がDVDスーパーマルチドライブの標準搭載で、写真では逆側(向かって左)が見えないのでどうなっているか判らないけれど、なぜ今更光学ドライブを付けてしまったのか。
無いよりは有った方が良いものの、ウルトラブックと言えばモバイル。少しでも軽量化する為にはDVDドライブは要らなかったのでは。
ベアボーン(ノート本体部分)の設計がそうだったのでしょうな。
パソコン工房のウルトラブックと性能と価格を比較
パソコン工房のウルトラブック、レサンセは激安と言える6万円。
パソコン工房は3月発売、ドスパラは最新版なので価格据え置きならドスパラが有利になり当然では有りますが、強引に比較すると以下の通り。
赤は勝っていると思う箇所。液晶の光沢か非光沢かは人によりどちらが良いかは違うと思われ、私が非光沢派なのでドスパラ側に着色。
普通のブログやニュースサイトなら良い所ばかり強調すると思うので、逆に大した事無いのでは?という書き方にしてみましょうか。ユニットコムの方がが好きとかそういう意味では無く。
- OS:セレクタブルでも32bitを再インストールしないなら意味無し
- CPU:たかが0.1GHz差 ※消費電力など細かい所は違うけれど
- メモリ:4GB以上の用途が有るか、速度差は体感不可能なレベル
- グラフィック:インテルHD~の性能を使いこなさねば価値が薄い
- 光学ドライブ:無いほうが軽いのでは、無ければ無いで困るのでは
- USB3.0有り:ウルトラブックはモバイル用なのに固定設置するのか
- バッテリ:どちらもJEITA測定なのであてにならず、しかも誤差程度
- 高さ:厚み2mmの差が戦力の決定的な差では(略)、意味不明失礼
- 重量:重さ600グラムの差が(もういい
確かにドスパラの方が性能は上なので良いと言えるけれど、性能差を上記のように薄めて考えた場合、そこに2万円の価値が有るかは購入する人の判断次第。
SSD+HDD+光学ドライブ搭載のウルトラブック(まとめ)
ドライブ3つ、専門用語風にいうと3ストレージの2スピンドル。ノートでドライブ3つは珍しいというより、私は初見。
しかし、気になる箇所としてパソコン工房とドスパラの表記方法が同じ事。いずれもこのような感じで書かれております。
- ドライブ・・SSD 64GB + HDD 500GB
一行にまとめたかっただけかも知れないけれど、いつもならSSDとHDDを分けて書くが普通。構造が判らず勘になるけれど、上記はSSDがmSATA、HDDが2.5インチ(1.8インチの可能性も)なのかも知れない。
mSATAとは主にオンボード(マザーボードに直接)搭載される方法で、SSDはオンボードだからオマケとして、HDDが普通の2.5インチなので一行にしている、というのは考え過ぎでしょうか。
120GBのSSDと、64GB SSD+500GB HDDの価格差はほぼ無し。SSDがオンボードなら、ベアボーンに標準組込として原価が安かったと推測、というより妄想。
もしそうならSSDは交換が困難な可能性が高く、メモリもスロットx1で交換出来るとは書かれていない為、薄い事も有り、増設や交換は前提としない方が良さそう。
やたら薄型が注目されておりますが、私にはその価値が解らない。
キーボードやモニタの方が重要と思うので、どちらかと言えば19インチくらいの非光沢液晶で、厚さ5cmくらいでキーボードは静電容量無接点方式を希望。
というわけで、デスクトップでやれという事になり、私は依然としてウルトラブックに興味がございません。
公開前追記:SSD+HDDに関してパソコン工房より回答有り。SSD、HDD共に2.5インチ、SSDはキャッシュでは無く独立したドライブ、との事。ドスパラは2日経過現在回答無し。
2012.09.07 22時頃追記訂正:パソコン工房へメールでも問い合わせを送ったところ、SSDはHalf-Slim SATAとの事。検索するとmSATAより大き目な基板丸出しのSSDでオンボードの模様。普通の市販SSDとの換装は無理だと思うのでご注意有れ。
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