パソコン工房が比較的安価なタッチ対応ノートを発売。
どう見てもSurfaceです本当にありがとう~と言いたくなる写真がニュースリリースで堂々と掲載されており、価格は本物のSurface Proより安い約5万円から。偽の方は2機種有るので本物と比較。
適当に見て参りましょう。
偽Surface Proと本物の見た目を比較
Surfaceにしか見えないパソコン工房のレサンセTB11シリーズ。
ユニットコム、Windows 8搭載タブレットPC「Lesance TB 11TB」 - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1307/25/news091.html
リリース記事を見た当初、パソコン工房でもマイクロソフトのSurfaceを販売し始めたのかと思ったけれど別物。
画面の縁(ふち、ベゼル部分)やWindowsロゴの位置がSurfaceに似ている以上に、キーボードの接続部分まで酷似。
本物のマイクロソフト製品、Surface(Pro)はこれ。
source:「Surface Pro」フォトレビュー - GIGAZINE
並べると、どちらがSurface Proなのか分からないレベル。
source:Microsoft Store Japan|source:Lesance TB 11TB3000-i3-VGM
Surfaceは左、では無く右。
見分け方は背面や側面の違い。
左、本物Surfaceのキックスタンドは全体を支えており、パソコン工房のレサンセは中央に細い棒が1本のみ。
前面はほぼ同じなものの、裏側から見ると台湾または中国クオリティと判りましょう。マイクロソフトがODMなら設計から自社でやっているはずなので、デザインのセンスが違う。
Surfaceはいかにもなタブレットで裏側も気を遣っているけれど、パソコン工房のレサンセは、台湾製ノートのキーボード部分に画面を取り付けたような物。
見た目、デザイン重視ならレサンセは無しでしょうな。
偽Surface Proと本物の性能を比較
性能はどうなのか。安いだけは有り何かとSurface Proを下回っております。
OSは本物SurfaceがProに対してレサンセはいずれも無印のWindows 8。Proの機能を使う人は、企業やマニアなので一般PCユーザには大差無いでしょう。
CPUは本物がCore i5に対して、レサンセはCore i3やCeleron。クロック周波数が大きめに違うものの、高性能PCとしての用途で無ければ違いはベンチマークでもしなければ判らない微妙な差という印象。
メモリはウルトラブック並に少なめな4GB、または2GB。右端のCeleronモデルは、私のテスト用ノート(3万円の15型レサンセ)より高性能なので、軽めな用途なら2GBでも充分かと。
SSDは大差が有り、Surface Proはマイクロソフトの公称で空き容量は約89GBとの事。レサンセ側はオフィス無し、8無印なのでWindowsの占有が約30GBくらいとすると、空き容量は30~40GBくらい。利用可能なSSDの空き容量は2倍どころでは無いわけですな。
モニタは対角1インチ(約2.54cm)差なので大した事は無いけれど、解像度がフルHDとHDという差が出ております。これは個人差が有ると思われ、私は11インチ程度でフルHDは厳しいと感じているけれど、高解像度が好きな人や映像マニアはフルHDを好むでしょう。個人的には表示が小さすぎて見づらいと思う。
無線の「a」は普及しておらず、「a」対応の親機を持っているなら多少価値が有る程度。Bluetoothも使うなら、タブレットという事も有り内蔵の方がよろしいかと。
オフィスも大きな違いと言え、やはりこれもオフィスをSurface Proというタブレット兼PCで使うならSurfaceの方が優れており、しかし使わないなら価格以外にSSDの空き容量を無駄に食っているという難点。
バッテリ駆動時間はマイクロソフトの仕様に載っておらず、ITmediaがBBenchというフリーソフトで実測した数値。JEITA測定は甘く出るので、Surface ProをJEITA測定法で測ったなら、7時間くらいになりそう。
重量は53グラムレサンセが重め。しかしこれはタブレット本体のみ。キーボードを付けるとレサンセは1.28kg、Surface Proは1.1kgくらいなので結構違うかも知れない。
以上、ここまでで大きな違いと言える箇所は以下の通り。
- SSD容量
- 解像度
- オフィス有無
SSD(空き)容量は2倍以上の差、解像度は面積にして約2倍の差。オフィスの有無は使う人にはデカいでしょう。
しかしSurface Proはキーボードを付けると約11万円。上位レサンセTB11との差は4万円、下位モデルとの差は6万円と2倍以上の価格。
オフィスを外すなどで本体価格を比較してみましょうか。
Surface Proか偽物か、価格を比較
3種類をリスト形式へ。キーボード無しでは、8は使えてもWindowsが使い物にならないので付けております。
ここから金額の「約」を省略。カッコ内はSurface Proとの価格差。
- Surface Pro・・11万円 ※キーボード代含む
- レサンセ上位・・7万円(-4万円)
- レサンセ下位・・5万円(-6万円)
まず、Surface ProのWindows 8はProなので、無印とはカスタマイズの差額を適用すると5千円の差。
そして、Surface ProはオフィスHome and~が抱き合わせ、標準でインストールされている為、これもカスタマイズ差額を適用すると2万6千円の差。
Surface Proから3万1千円の価格(価値)を引くと
- Surface Pro・・7.9万円
- レサンセ上位・・7万円(-0.9万円)
- レサンセ下位・・5万円(-2.9万円)
SSD128GBと64GBの差は、だいたい6千円くらい。メモリ、SODIMMの4GBと2GBを各1枚とした時の差額は3千円くらい。計9千円。
- Surface Pro・・7万円
- レサンセ上位・・7万円(±0万円)
- レサンセ下位・・5万円(-2万円)
この時点でSurfaceがレサンセ上位に勝っている性能や機能は、
- 高解像度
- CPUが高性能
- 内蔵無線の種類が多い
というわけで、この勝負はSurface Proの勝ち、コスパで考えると本物の方が良い、と言いたいけれど、オフィスやWindows 8 Proが必要なら。
要らないなら無駄に3万円くらい高いとも言える為、それならレサンセでもよろしいかと。見た目にこだわらないなら。
パソコン工房はMSに怒られない(まとめ)
パソコン工房(ユニットコム)のパクりPCは前科がございます。以前、パソコン工房が貸してくれたLesance NB S3112/Tのレビュー(3/3)での突っ込み。
リンゴマークを貼るとApple信者以外には判らないかも知れない。
左がMac、右がレサンセ。
source:ユニットコム「LesanceNB S3112/T」 ピンク版MacBook Airのような11.6型ノート
Apple様が日本の小さなBTO PCメーカーを相手にするとは思えず、「色が違う(キリッ」で逃げる事が出来そうと思うけれど、今回の偽Surface Proはどうなのか。
正面から見るとどちらがSurfaceでレサンセか判らないレベルで色も同じ黒。Surface純正タイプカバー(黒いキーボード)も酷似しており、どう見てもパクりでしょう。
しかしやはり、マイクロソフトが日本の小さなPCメーカーを訴えるとは思えず、また、マイクロソフト的にはWindows 8を普及させアプリ収益を得たいわけで、売れるならむしろ大歓迎なはず。
但しSurface Proをパクるのは、こういう意味で危険。
マイクロソフト、Surface Proも海外で限定値下げ。100ドル引 - Engadget
http://japanese.engadget.com/2013/08/04/surface-pro-128gb-899-100/
Sruface RTに続き、海外ではProも100ドル引き。
限定とか言っているけれど、RTと同じなら恒久的に値引き、要するにこれが通常価格になる可能性大。
売れなければ後継モデルが出せない為、売れなければ売れないだけいくらでも値下げしそうな感さえ有るので、こんな物とのコスパ勝負は危険。
しかも売れていない原因は価格の高さだけでは無く、Windows 8という失敗版Windowsなので更に危険。
パソコン工房は量産系BTOメーカーではWindows 7率が高く、MCJひっくるめて業績は好調らしい為、本格的な氷河期(7終了、8売れない)が来るまでに現金を貯めた方が良いと思うけれど、余計な世話ですな。
今気付いたけれど、PC工房デスクトップのトップページ。
どのモデルをクリックしても最初に出るのはWindows 7仕様、またはWindows 8仕様の無い機種もございます。
売れ筋は天晴としか言いようがございません。全部7。
今、7仕様PCが売れれば売れるほど、7終了後はPCメーカー全体が更に厳しくなると思われ、今の内ですな。いいぞもっとやれ。
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