タイトルに 相変わらず を入れたい日本HPの新製品。
HP製品の国内法人シェアは大きいものの、個人ユーザは少なくとも私の周りでは見掛けず。店頭販売が少ない上、通販での直販はサイトが見づらい為にHPというブランドを知ってはいても購入しない(できない)のか。ノートは選択肢に入る割安な良品が多め。
2012年の春モデルが発表されたので勝手に評価。
ゲーマー向けデスクトップは8コアCPU搭載で約9万円より
CPUが8コアで9万円、SSD標準搭載などの特長が無いと来たならマニアックな人には何の事か判りましょう。価格が高過ぎる。
source:【PC Watch】 日本HP、赤いLEDが輝くAMD FX水冷タワー「h9」
ディスプレイがセットなら救いが有るものの、CPUはAMDの不発弾とも言えそうなBulldozerを搭載しており、グラボは何故かGTX550Tiが突っ込まれております。
上のイメージでミニタワーケースのデザインがクールでスタイリッシュと思うなら有りでしょうか。私にはDELL(Alienware)の二番煎じに近い冗談に思える程度。
量産系のBTOパソコンの特徴は、カスタマイズ出来る以外に高性能そして割安な事。HPの場合はどこまで市販と同じ物を使っているか判らないけれど、詳細が出ているので主な仕様を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:AMD FX-8120(3.10-4.0GHz、8コア、8MB)
- マザー:AMD 970 チップセット
- メモリ:8GB(4GBx2、PC3-10600)※空きスロット2
- グラボ:GeForce GTX550Ti 1GB
- HDD:1TB(SATA3Gbps、7200rpm)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- I/F:カードリーダー(前面)、USB3.0x2(天面)など
- 電源:600W
- ケース:プレミアムミニタワー(レッド・イルミネーション)
なぜ光らせたいのか判らないけれど、画像のように赤く光るファンが搭載。私が今これを書いているメインPCも幸い前面のみで光っておりますが慣れるまで鬱陶しい。ホコリがやたらと目立つ辺りは個人的に利点、掃除しない人なら難点。
他社製品で滅多に見られないパーツはCPUとマザーボードがAMD製品。他は良く有る構成なので、この2点がどの程度の価値なのか調べてみましょう。
価格コムより2012年1月下旬現在。CPUはFX-8120、BOXで。
source:価格.com - AMD FX-8120 BOX 価格比較
さすがAMD、安いですな。インテル様なら2万を余裕で切らないでしょう。
チップセットはAMD970、検索すると価格コムでの登録は全8種類。
価格.com - マザーボード スペック検索・性能比較
http://kakaku.com/specsearch/0540/
こちらも安め。いずれもATX(ミドルタワーケース用)になっており、SATAは全て6Gbpsに対応している御様子。
他は私の脳内価格コムでおおよそ合っていると思うので、いつも通り自作PC用のパーツ単品と価格を比較して参りましょう。
百円単位を四捨五入で約は省略。OSはDSP版で換算。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit・・12千円
- CPU:AMD FX-8120・・17千円
- マザー:AMD 970チップセット・・7千円
- メモリ:8GB(4GBx2、PC3-10600)・・5千円
- グラボ:GeForce GTX550Ti 1GB・・10千円
- HDD:1TB(SATA3Gbps、7200rpm)・・9千円
- DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
- 電源:600W・・4千円
- その他:カードリーダー、キーボード、マウス・・4千円
- ケース:ミニタワー・・2万円
総額は9万円なので日本HPと同じ価格になりましたというわけはもちろん無く、最後のケースで帳尻を合わせると1.5万円くらい自作より高くなり、BTOパソコンのくせに生意気な状態。
しかし最初の画像、下に貼ったPCWatchへのリンクタイトルを良くご覧有れ。水冷と書かれております。どのような水冷かはもちろん簡易水冷。
水冷はCPUのみ、グラボはチューニングしたとか書かれている普通のファン搭載品。簡易水冷を甘く見て1万円としてもケースが1万円くらいの計算に。普通に考えると簡易水冷クーラーの相場は6~7千円。
このケースは光る以外の特徴でマザーが上下逆になっているので、HDD含め全体が傾いた状態で良いなら有りかも知れませんな。私には意味が解らない。
ご丁寧に番号を振られている枠が水平と垂直なので、どのくらい傾斜しているか参考になる画像。
HDDを斜めにして良いか否かは判らないけれど、光学ドライブの傾きは大丈夫でしょうか。斜めにすると、トレイ内でDVDやCDメディアが暴れたりしないか疑問。
ちなみにケースと簡易水冷以外にキーボードもオリジナルらしいけれど、どこがゲーマー向けなのかさっぱり不明。
DELLのAlienwareに対抗したと推測すると、海外で流行ってそのまんま日本に入れてしまったと妄想。
価格が大して安くない以外に光るファンもどうかと思うものの、個人的にはデザインを優先したと思われる傾きが気になる所。
もう一つ意味が分からない事は、CPU(とチップセット)がAMDで、グラボがNVIDIA。同じ価格ならRadeonの方が高性能になっていた可能性を考えるともったいない。
ノートはウルトラブック、SSDの標準搭載で約8万円より
変わってノートはウルトラブック。個人的にHP製ノートの評価は高めで、高性能な割に安い物が多め。過去に触ったノートはdv6-6000(改)のレビューがございます。
Folio 13-1000が2012年春モデルとして発表、国内でも発売予定へ。
source:HP Folio 13 ウルトラブック国内発表 - Engadget
仕様は良く考えられております。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i5-2467M(1.60G-2.30GHz、3MB)
- マザー:インテル HM65 Express チップセット
- メモリ:4GB(4GBx1、PC3-10600)※最大4GB
- ストレージ:128GB SSD
- 光学ドライブ:無し
- 有線:LAN 10/100/1000Mbps対応
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth4.0
- モニタ:13.3インチ液晶(解像度:1366x768)
- I/F:HDMI出力、USB3.0x1、USB2.0x1 など
- サイズ:最薄部18mm~最厚部20.3mm
- 重量:約1.5kg(標準バッテリ装着時)
- バッテリ駆動:約9時間
ハイスペック信者には、CPUの行で青にしたクロックの低さで暴れたいかも知れないけれど、目的は省電力と思われ、バッテリ駆動が9時間と長め。HPは日本の悪習なJEITA測定では無く、ベンチマークソフトで計測しているので信頼性はやや高いかと。
バッテリのもちを良くしている箇所はCPU以外にストレージがHDDでは無くSSD標準、そして薄型も関係していると思われる光学ドライブを取っ払った為でしょう。
解像度が低く見えるかも知れないけれど、13.3型でフルHD(1920x1080)は視認性に難が有ると思われHDが限界と感じる部分。
重さは普通、薄さが特長らしくMacBook Airを参考にすると最薄3mmで最厚17mmとの事。薄い価値が私には解らないのでスルーさせてもらうと、せっかくバッテリ駆動が長時間なのだから重量はもう少し落として欲しかった所。
注意する事はUSB3.0x1は有るけれど、2.0が1本のみ。USBマウスを使う前提なら空き1になり携帯性を考えるとハブは矛盾。タッチパッド操作に慣れた方が良さそうですな。
以前、ウルトラブックでこれはどうなのかと疑問にした物がFolio13でも該当しており、メモリx1枚でユーザの換装を前提としていない事。スロットは有るものの、交換出来ないとHP公式のスペックシートに注意書き有り。
分解する前提なら問題無いけれど、メモリに不具合が出ると修理になるので作業費(修理費)は高くなると見た方がよろしいかと。万一、ベアボーン(ノート本体部分)丸ごと交換になるとNEC並の修理費になるやも知れず。自社製造なら、さすがにそれは無いでしょうか。
SSD容量が半端なのでインテルでは無さそう。しかし128GBのSSD標準で約8万円はコストパフォーマンスに優れておりましょう。
8万円でSSDと言えば、先日タイトルそのまんまでマウスのノートをカスタマイズし、自分でやったカスタマイズを若干否定。その理由はSSD120GBでは普通の人には足りないのでは無いかと。
しかしFolio 13-1000はウルトラブック。薄いからそれが付加価値という事では無く、デザイン重視な人間はライトユーザが多いとして、SSD128GBでメモリ4GBでも良いのでしょうと強引に解釈。
このウルトラブックがどのくらい安いか、パーツ毎の最安試算が不可能に近い為、マウスのノートと比較したり、他メーカーで似た構成のノート(ウルトラブックでなくとも良い)で比較してみましょう。
その際はバッテリ駆動を前提で比較するとFolio 13-1000の構成が上手いと判るかと。JEITA測定のバッテリ駆動時間はメーカーにより測定方法が違うので40~80%くらいを乗算推奨。
日本HPは相変わらずデスクトップに弱くノートに強い(まとめ)
個人的に日本HPの黒歴史と思っている過去のデスクトップ関連記事は、やたら高額な割にグラボ性能が低めなFF14の推奨PCや、1年半でサポートが切れるVista仕様のモニタセットを叩き売っていたり。メイドin東京は見逃してあげましょう。
ノートはdv6-6000レビューに書いたような性能の割に安かったり、今回の記事で書いた通り目的がはっきりしている仕様。HPのノートは公式の直販を見ていると、型番を変更して突然が値下がる事も有り、気付けると更に割安で入手可。
こう書くと、私が偏見でHPのデスクトップが嫌いでノートが好きと思われるやも知れないけれどそれは逆。簡単にいうと下手なデスクトップと上手いノートの構成や売り方が(日本)HPだったという。
過去の記事では、最近のデスクトップはマウスやパソコン工房が良く、ノートは有名メーカー型落ちやLenovoなどの完成品が良く、エプダイは高額過ぎオンキョーは下手過ぎ、など書いているけれど常に物(製品、商品)や売り方(企画や戦略)が先。
パソコンは電気製品の中では故障頻度が高い物で、製造メーカーや組立代行屋にこだわる理由が薄め。ユーザの運や環境の悪さ、掃除不足を改善しましょう。メーカーや代行屋で故障率が変わるなら、自作ユーザAとBでも変わる事になり矛盾。
個人的にノートや一体型よりデスクトップ、小型PCより大型ケースを良いとする理由は、少しでも安くパソコンという物を維持する為に故障に繋がらないよう足掻(あが)いているのみ。
ウルトラブックは薄く高性能という、ノートの中でも最悪な設計と思っているので、高性能CPUやHDD搭載は御注意有れ。CPUやHDDが熱で簡単に故障するとは思っていないけれど、マザーボードやメモリが心配。
以上、現在発表されているウルトラブックの中ではFolio13は比較的良いのでは無かろうかという感想文。デスクトップでどうしてもBulldozer+簡易水冷したいなら、今の所は自作PC推奨。
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