パソコン工房のLesance(レサンセ)デスクトップPC実機評価その3。
前回はベンチマーク編として、デスクトップと同時に借りたノート(S3112/T)も混ぜてスコアを取っておりますが、それらとはほぼ無関係に総評。レサンセシリーズ、約3.5万円のデスクトップPCはどうなのか。
3日間連続レビュー最終回。
「Lesance DT P2541」の気になる所5つ
難点にしようと思ったけれど、短所有れば長所有り。私が難点と感じただけかも知れない為、敢えて「気になる所」として。
P2541の特長と思われる点はデザイン。
私はデザインにこだわらないので特に良いとは感じないけれど、光沢や鏡面加工と言えそうなフロントパネルは他のケースでは少ないと思う。
通販の画像では判らないけれど鏡のようにテカっております。
更に中央付近のLEDは常時青色に点灯。
これは電源オンの状態を表しており、左端にはアクセスランプが一体化され、HDDなどへのアクセスはオレンジ色に点滅。
では私が個人的に難点と思った事、フロントパネルだけで4つ、他1。
1.初起動の際は電源ボタンが分からないと思う
私が間抜けなだけかも知れないけれど、PC本体を箱から取り出しケーブルやキーボードなどを接続後、電源を入れようと思えどボタンが見当たらず。
正解は上の画像で青く光っている右側が電源ボタン(スイッチ)になっており、良く見ると電源マークがございました。
デザインと捉えるか、分かり難かったと言うか。私は後者。
一度知ってしまえば次からは迷う事は無いけれど、PC初心者や初デスクトップPCユーザなら分からないと思う。
2.光学ドライブのイジェクトの設計がおかしい
5インチオープンベイの最上段に光学ドライブが搭載。ケースのボタンを介してドライブ本体のイジェクトボタンが押される設計は良く有るものの、この位置はどうなのか。
オープン。
上下の写真を良く御覧有れ。
ボタンは上の写真で人差し指が当たっている所。ボタンには数個の突起が有り、ボタンが有ると判るデザイン。
しかし下の写真の通り、トレイが排出されるとケース側のフタが開き、そのフタが開いた状態になると(私の指では)イジェクトボタンが押せなかった。
確かソーテック(現、オンキヨー)のデスクトップPCで見た気がするけれど、トレイを戻す際はトレイを押して戻さなければならない。強引にボタンを押せない事も無いけれど、トレイ押した方が早い。
3.カードリーダー部分も設計がおかしいと思う
この機種にはカードリーダーは非搭載なので関係無いけれど、電源と光学ドライブに続き2.5インチのオープンベイも妙。
パネル(フタ)の右上にロックが有り、押すと中で解除されパタンと開くものの、この状態では電源ボタンが押せない、とまでは言わないけれど押し難い。
デスクトップという名の通り、本当に机の上に設置しているなら良いと思うけれど、私のように床へ設置するならフタを開けた状態で電源オンは厳しい。
4.光沢にすると細かい傷が目立ちそうな予感
光沢、つやありの難点は傷。フロントパネル全体が反射している為、細かい傷でもその反射が遮られ目立つでしょう。
レビューその1で個人的にInWinのケースは好きだと書いておりますが、このケースのフロントパネルは頂けないと思う。
5.マザーボードは一部で液体コンデンサ搭載
後で気付いたけれど、コンデンサの一部が液コンになっております。
写真中央やや右上、丸で囲まれPbと書かれている真上の丸いやつ。
私が約2年前にメインPC自作用に購入したASRockの安物でさえ固体コンデンサとなっており、今時珍しいと思ったコストダウン戦術。
CPU付近でもヒートシンク直下は固体コンデンサ。
全体の写真をECS公式より拝借。拡大は横1000pix注意。
source:ECS Web Site > H61H2-M2 (V2.0)
銀色に赤文字の丸が固体、黒縁で銀色の丸が液体。
CPUを中心に固体コンデンサが載っており、熱源から離れると液体コンデンサという設計。PCI Express周辺(写真左上)は液体なので、ファンレスのビデオカード増設などはやめた方が良いかも知れない。
コスパ重視のBTOパソコンらしいPC
利点と言えるほどの特長はこれと言って見られず、強いて言えば上で気になるとして書いたデザインが長所でしょう。
そしてこの機種に限らないけれど、パソコン工房のような量産系BTOパソコンはコストパフォーマンス重視。自作PCと比較するとどうなるか試算してみましょうか。
価格は2013年3月下旬の価格コム最安よりおおよそ。価格コムに無い、OSやケース、キーボードなどは適当安めに付けております。
- OS:Windows 7 Home Premium 64bit(セレクタブル) ・・1.0万円
- CPU:Celeron G550(2.6GHz、2コア、2MB) ・・0.4万円
- グラフィック:インテルHDグラフィックス ・・0
- クーラー:インテル純正 ・・0
- マザー:インテル H61 Express ECS H61H2-M2 ・・0.5万円
- メモリ:4GBx1(DDR3 1333) Elpida両面16チップ ・・0.2万円
- HDD:500GB HGST HDS721050CLA362 ・・0.5万円
- DVD:スーパーマルチ LG電子 GH24NS90 ・・0.2万円
- ケース:ミニタワー InWin EM038 ※のOEMと推測 ・・0.4万円
- 電源:300W InWin IP-S300CQ2-0 ・・0.3万円
- キーボード、マウス・・計0.2万円
総額は約3.7万円。結構厳し目に(単品価格を安く)見積もったつもり。
パソコン工房の通販は約3.5万円。
パソコン工房の完成品は送料が約2千円掛かるので同じくらい、では無く、パーツ単品は送料無しで計算した為、本当に最安で揃えようと思えばパーツ単品は送料の為に数千円追加になるでしょう。
ドスパラやツクモで0.5~1万円を超えさせて送料無料にするにはパーツの単価が安過ぎて難しく、最安にはならずやはり数千円高くなるもの。
おまけにパソコン工房のWindows7 Home~はOEM版なのかセレクタブルになっており、万一主力ソフトが64bit上の32bitエミュレーションに対応していなくとも、再インストールで32bit版へ変更可能。
単純にWindows7 Home~32bitと64bitが2種類付くと思うなら、OS代は2万円。そんな人は滅多に居ないと思うけれど、企業などの業務用として購入するなら保険として有効かと。
「Lesance DT P2541」レビュー(まとめ)
ノートのレビューと同様に難点と利点で手のひらを返してみましょうか。
ケースは見た目、デザイン重視と思われ、イジェクトや電源ボタンの配置などにこだわる物では無く、自作PCやBTOパソコンらしくないケースが良いなら難点とは言えず。
液体コンデンサもこれが原因で故障するのは余程掃除をしないかリコールレベルの不良機種程度で、頻繁に故障する物を採用すると無償修理期間や延長保証で損をするのはPCメーカー側。一応突っ込んだけれど普通は気にしなくてよろしいかと。
利点とした安さを敢えて難点とするなら、本当に3.5万円程度の構成で良いのかという用途による問題でしょう。
メール、インターネット、年賀状印刷、静止画像整理ならこれ以上の性能は要らないと思うものの、最近は個人で動画編集する人も増えており、それならCPU性能を上げた方が良いと思う。
というわけで、P2541はフロントパネル次第。あれが気になるなら別の機種にした方が良いと思われ、気にしないならパソコン工房の平常運転、量産系BTOデスクトップとして普通に安い為、お勧めまでは言わないけれど悪くは無いでしょう。
元メーカー修理人からお勧めするのは、1年以上使うつもりなら有料でも延長保証の追加。3.5万円のPCにプラス5千円は割高と思うかも知れないけれど、何か一つ故障すると修理代は5千円を下らないはず。
パソコン工房が他メーカーより良心的な所は延長保証の安さなので、この機種に限らずユニットコム系なら+2年盛っておきましょう。
約束なのでリンク>レサンセシリーズはこちら。製品個別のリンクは切れるかも知れない為、レサンセブランド一覧へ繋げております。
ノート編で叩きまくったのでもう貸してくれないと思うけれど、もし次回が有るならこちらから機種を指定した方が良いと思う。
最後に、私のような個人を信用し貸出PCをお送り頂き有難うございます>パソコン工房の中の人
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